C.S.
遅れてきた副作用?“頭が真っ白になる”
術前・術後の抗がん剤治療、手術、放射線治療が一段落して、半年ほど経った頃、今まであった吐き気やだるさ、脱毛などの副作用はだいぶ回復し、仕事の量も同僚と同じくらいこなせるようになっていました。
今まで通りの自分に戻りつつある中、気がかりなことが1つありました。それは、誰かの話を聞いている時や、車の運転をしている時に、頭がボーっとしてしまい、今起きていることが理解できなくなることでした。“頭の中が真っ白になる”という感覚そのものです。
車の運転では、左右をしっかり確認して右折したはずなのに、右折してすぐにバックミラーを覗くと、後ろにピッタリと車がくっついていて、ドキッとすることもしばしばありました。また、物忘れもしやすくなりました。
そんな事を繰り返していた為、「私、どうしたんだろう・・・」「また失敗してしまった・・・」と落ち込むこともありました。
主治医の先生に思い切って相談してみましたが、「精神科を受診してみては?」との言葉に少し違和感を覚えました。
現在はそのような症状もなくなり、今まで通りの生活ができています。あの時に“ケモブレイン ※”を知っていたら、あんなに自分を責めずに済んだのではないかと思います。
※化学療法が原因で生じる認知障害。記憶力や集中力、作業能力の低下が主な症状であり、基本的には時間とともに改善するとされる。
2018年執筆