University of Florida Department of Hospital Medicineでのエクスターンシップ

東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科専攻医

内山 秀平

このたび、アメリカ内科学会日本支部国際交流委員会のプログラムにより、University of Florida Department of Hospital Medicineに3週間のエクスターンシップの機会を頂きました。学んだことはあまりに多く、書ききれない事柄も多々ありますが、できるだけ詳細にご報告させていただきます。

はじめに、今回ローテーションさせていただきましたDepartment of Hospital Medicineとその志望理由について説明いたします。この診療科はいわゆるHospitalistが勤務している診療科であり、入院中の患者のうち複数科にわたるプロブレムを持つ患者を中心に担当を行っています。また、他科(主に整形外科、泌尿器科、産婦人科などの非内科系診療科)からの内科的コンサルトも引き受けています。私は将来米国にてHospital Medicineを専攻したいと考えており、今回のエクスターンシップは本場のHospital Medicineを学ぶまたとない好機と考えたため、応募をさせていただきました。

Hospitalistの勤務体系はseven days on, seven days offと呼ばれており、7日間の連続勤務ののちに7日間の休暇があります。休暇に入ってしまう関係上、単独の医師をShadowしつづけることができないため、7日間をFloorでshadowしたのち、次の7日間をConsultation serviceで過ごすという方法を採らせていただきました。正確には週の中盤でseven daysの交替が行われるため、バランスよくいずれも1週間半ずつ滞在することができました。

①Floor

こちらは入院患者を担当医として受け持つ部門です。アメリカでは年度が終わりかけている時期だったこともあり、attendingの医師が一人で担当を行っており、そちらを見学させていただきました。

入院患者の疾患は多岐にわたり、心不全、肺炎、COPD急性増悪、蜂窩織炎などの日本でも比較的よくみられる疾患から、cystic fibrosis、sickle cell diseaseによるacute chest syndrome、cocaine-induced ACSなどの米国ならでは(?)の症例まで見学をすることができました。日本でも見られる疾患の診療内容に関しては普段から私が総合内科医として行っているものと大きな差はないと感じられましたが、コストの意識が強い影響か退院のスピードは非常に早く、case managerが各患者のdispositionについて毎日確認を行っている場面が非常に印象的でした。

②Consultation service

こちらは他科からのコンサルトを受ける部門です。PGY-3のresidentとattendingの医師がチームを組んでおり、そこにお邪魔する形で参加させていただきました。

主な診療内容としては外科病棟入院中の患者の内科的”comanagement”(「併診」という単語が最も近いかもしれません)や心不全管理、高血圧緊急症などがありました。さらに院内で腹腔穿刺、腰椎穿刺、中心静脈カテーテル留置などの処置が必要になった場合のコンサルト先もこちらでした。

もともと私がhospital medicineに興味を持ち始めたのは総合内科としての病棟担当もさることながら、このような他科からのcomanagementのシステムが素晴らしいと考えたことが契機でした。例としては、大腿骨頸部骨折で手術を控えている患者の併存疾患である高血圧、糖尿病、心不全のマネジメントを受け持つ、というような内容です。コンサルテーションのみを受け持つ部門は日本の病院には一般的でないと思われますが、非常にやりがいのある仕事だと感じられました。

さらに、attendingであるDr. Kattanは私がECFMG certificate holder(=USMLE STEP1/2 CK/2 CSをクリア済)であること、米国でresidencyを行おうと考えていることを汲んでくださり、患者のプレラウンドから回診におけるプレゼンテーション、さらには処置まで許可をいただくことができました。加えて短時間ではありますが新規のコンサルテーションがあると最初に通知が来るPager(ポケベル)も渡していただき、実に多くのことを経験させていただきました。これらの経験は私の将来のキャリアにおいてかけがえのないものになると確信しています。

今回のエクスターンシップでは本場米国のHospitalistの診療内容を深く知ることができただけでなく、私自身のキャリアにおいても大きな一助となったと感じております。学んだ多くのことを胸に、これからも将来に向けて挑戦し続けていく所存です。

最後に、このような貴重な機会を頂きました牧石先生をはじめ国際交流委員会の先生方、滞在前だけでなく現地にて多くのアドバイス、日常の手助けを頂きましたDr. Steinに心からの感謝を申し上げ、ご報告とさせていただきます。