うぅ
乳がんとの共存
私は乳がんになった時、これからどう生きていくか考えました。
よくがんになった人が言葉にしているのは「がんに勝つ」「がんに負けない」。
私はこの言葉に違和感があります。
もし、がんが原因で命を落としたなら、その方は“がんに負けた敗者”なのでしょうか?決してそうではないですよね?
戦うことは身体的にも精神的にも苦しく、辛く、プレッシャーです。
私は、これからの人生をそんな気持ちで生きていたくはありません。
私は命をおとしたとしても、がんに負けたと思われたくありません。
何かと闘う人生よりも、毎日楽しく過ごすほうがいいです。
そこで私は“乳がんと共存する”ことにしました。
自分の中にいるがんと闘う・ケンカするのではなく、共存・一緒に生きていく。そのような気持ちで生きていくことにしました。
手術・抗がん剤治療を経て、がんは目には見えない存在になりました。
これから先も、今のようにお互いが刺激し合うことなく、穏やかな日が続けばいいです。でも長く生きていると、がんが目を覚ます可能性だってあります。
しかし、もしその時が来ても、闘うのではなく、共存する道を選びたいと思います。
治療しながらでも充実した人生を送りたいです。
もし私はがんが直接的な原因で人生を終えても、決して「負け」ではありません。最後まで「一緒に生きた」なのです。
2017年執筆