マッキー
アンパンマンのマーチ
罹患当時、息子は一歳直前。生検をきっかけに授乳を止め、寝かしつけるのが大変な頃、アンパンマンのマーチをよく歌っていた。辺りが暗くなる夜はどうしても気持ちが沈みがち。子どもの入園式、入学式、卒業式…、一緒に迎えられるだろうか、どれだけ成長を見届けられるだろうか、と不安がよぎる時もあった。
そんな時、救われた明るいメロディと力強い歌詞。
♪ 何が君の幸せ 何をして喜ぶ わからないまま終わる そんなのはいやだ ♪
もう30代も半ばで、もっと大人になれていると思っていた。ふと人生を振り返る。私の幸せは?この子の幸せは?家族の幸せは?問いの答えは簡単ではない。でも、わからないまま終わるのは、いやだ。時に涙ぐみながら寝かしつけるには大きすぎる声で歌い、力をもらっていたことを思い出す。今ある幸せに感謝しつつ、術後4年、現在でも、折に触れて、何が幸せか?と問いかけるようにしている。
2017年執筆