C.S.
私の“病気の受容”これでいいのかな?
2014年6月に私は就職時の健康診断で病院を訪れました。一般的な検診項目を受け、最後に医師による問診、乳がんの触診を受けました。
検査の結果、全て異常なし。しかし、その約1か月後には約1.6cm、乳房の表面から指でつまめる程の大きさの異物があり、病院に行くよう周囲に勧められたために再度病院に向かいました。
検査でがんと診断された時、「やっぱり、そうでしたか」と答えたのを覚えています。不思議と不安や悲しみに襲われることなく、「さて、これからどうしていこう?」と考えていました。いつか不安がくるのかな・・。いつか悲しみが来るのかな・・。そんな気持ちにならないのは、事実をきちんと受け止めていないから?病気を受容していないから?逆にそんな不安を抱いていました。
乳がんが見つかってからすぐに始まった抗がん剤治療。その後計画されている手術や放射線治療。まるで、“まな板の上の鯉”みたい・・そんな風に思いました。体と気持ちが分離して“わたし”という存在を放っておかれているような感覚でした。
「これでいいのかな・・」そんな疑問を常に持ちながら、治療に取り組んでいた頃、抗がん剤の副作用に耐え、布団の中で考え続けていたことが一つあります。それは、「このがんは何を教えにきたのだろう」でした。そして、私はこの体験を存分に感じたいと思いました。
術前・術後の抗がん剤治療、手術、放射線治療と、仕事をつづけながら約1年間取り組んできましたが、副作用がつらい日、楽な日、頑張れないのに頑張ってしまう日、笑った日、泣いた日、遊んだ日、孤独な日、など様々な時がありました。そんな中でもあまり落ち込まずに歩んでこられた私は、「病気を本当に受容できていたのか」「悲しみに目を背けてないか」と不安になることもありました。しかし、これが私なりの受容の仕方だったのだと、徐々に受け入れられるようになりました。