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7-2.葬儀についての備え

大切な家族が亡くなったあとのことを考えるのはつらいことですが、やがて訪れる最期のときへの備えや葬儀について、事前に準備しておくことで、そのときを慌てずに迎えられます。なかには葬儀の方法や遺影などについて、前もってご本人の希望を確認しておくご家族もいます。ご本人、ご家族の意向に沿う、願いが叶うような旅立ちとなるように、少しずつ準備できるとよいでしょう。

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患者Sさん妻葬儀の内容や希望について、夫に尋ねてもよいものなのでしょうか。亡くなったあとのことを口にしてもよいものなのか、はばかられてしまいます。

相談員Nさんご本人は、ご家族が思う以上に、「最期のときが決して遠くない」状況を感じ取っていることが多いようです。これまで一緒に歩んでこられたご家族であれば、亡くなったあとのことについて触れることも、決してタブーではありません。今は、葬儀の形態もさまざまです。むしろ、前もってご本人に確認することで、ご本人、ご家族双方の意向に沿ったお別れの準備ができます。

患者Sさん妻そうなのですね。それでは、少しずつ、葬儀のことも尋ねてみたいと思います。でも、具体的にはどんなことを話していけばよいのでしょうか。

相談員Nさんたとえば、葬儀の種類に関しては、宗教がある場合には、その希望を確認します。そして、葬儀の方法としては、近親者やごく親しい方だけにするか、仕事関係の方にはどなたに連絡するか。参列してほしい人をリストアップしてもらうのもよいでしょう。また、遺影の写真や、喪主、弔辞をお願いする方、旅立ちの際の装いなども、ご家族とご相談しながら事前に決めておきたいという方もいらっしゃいます。

患者Sさん妻わかりました。葬儀会社などの準備も必要ですか。どこへ連絡をしたらよいのか、費用がどれくらいかかるのか、見当もつきません。

相談員Nさんそうですね、葬儀会社についても、事前に情報収集をしておくとスムーズです。もし、ご縁のある宗教者(お寺や教会など)や、地域の有識者がいる場合には、事前に相談するとよいと思います。まったく見当がつかない場合には、地域にある葬儀社紹介センターを介して、葬儀社を紹介してもらうこともできます。こうしたことも、在宅支援チームは情報を持ち合わせています。訪問看護師やケアマネジャーに相談してみましょう

掲載日:2024年06月20日
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