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 筋強直性ジストロフィーはRNA異常症

最近の研究で、筋強直性ジストロフィーの発症メカニズムが明らかにされつつあります。複数のメカニズムが絡み合っているのですが、代表的なものに、以下のようなものが挙げられます。

  1. 筋強直性ジストロフィーの反復配列(CTG, CCTG)延長が極めて大きい場合は、DNA家染色体の構造が変わってしまい、DMPK, CNBP自体や近傍の遺伝子の発現が障害される。
  2. 繰返し配列部位とRNA転写調節因子(MBNL, CUG)が作用することで、適切なスプライシングや細胞質への輸送が行われます。繰返し配列が長くなると、RNAの構造が変化(ヘアピン形成)し、 RNA転写調節因子が多数結合し適切な処理が行われなくなる。このため、RNAが核内に蓄積して凝集体を作ります。また、RNA転写調節因子が不足(MBNL)、増加・活性化(CUG-BP)することで、 これらにより調節を受けている他の遺伝子の機能にも変化が生じます(スプライシング異常など)。

本症では多数の遺伝子にスプライシング異常が生じていることが報告されており、塩化物イオンチャネルのスプライシング異常が筋強直現象、 インスリン受容体のスプライシング異常が糖代謝異常に関連するなど、症状との関連が証明されたものもあります。また、骨格筋障害の程度と一部の遺伝子のスプライシング異常に相関があることも報告されています。 このように、多数の遺伝子のRNA調節に障害が生じることが、本症で多彩な合併症が見られる主な要因と考えられています。

発症メカニズム

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