2014年10月2日から筋強直性ジストロフィーの患者登録が開始されました。患者登録の目的の第一は、治験を円滑に実施することにあります。治験とは新しい薬が保険承認を受けるために必要な、有効性と安全性のデータを集めるために行う臨床研究です。患者様の数が少ない稀少性疾患では、治験を成功させるには、確実な診断のついた遺伝子変異、運動機能や合併症などの条件がそろった患者様を多数集めること、治療によって生じる変化を測定できる鋭敏な信頼性の高い評価法があること、病気や合併症の詳しい自然歴があること、医療管理が標準化されていること(どこの医療機関でも同じ治療が行われている)など様々な条件が必要です。
筋強直性ジストロフィーでは、この多くに課題があります。患者登録はこれらの課題を解決する上でも大きな意味があります。患者登録では、遺伝子変異や運動機能、合併症、治療内容などの情報を登録いただきますが、多くの患者様にご登録いただくことで、自然歴や合併症、医療の実態が明らかになり、治療の標準化や臨床研究・新薬開発の促進など様々な効果が期待されます。つまり、日常の医療レベルを向上させる上でも患者登録は大きな意義を持ちます。
登録に必要な具体的な作業は、患者登録を行っているRemudyのホームページ(http://www.remudy.jp/myotonic/index.html)をご覧下さい。患者登録で登録していただくデータには様々な個人情報が含まれるため、医療関係者が勝手に登録することは出来ず、私達の協力の下で患者様自身に登録作業を行っていただく必要があります。お手数をおかけするのは恐縮ですが、本症の医療を改善するためには患者様の協力が欠かせません。登録や臨床研究についての皆様のご理解とご協力をお願いします。
なお、本症の登録事務局は大阪大学神経内科にあるため、登録用紙は大阪大学神経内科神経・筋疾患患者登録センター(Remudy)患者情報登録部門へ送付下さい。