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14.糖尿病ケア

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以下に示すのは利用者と家族に対する自分自身の日頃の看護活動を振り返るチェック項目です。各項目について普段行っている看護活動内容に照らし合わせて次の4つのうち1つを選んで回答してください。(必ずできている:4, おおむねできている:3, あまりできていない:2,全くできていない:1)

糖尿病ケア質指標

医師の指示内容および管理協定、糖尿病の重症度、セルフケア状況の把握(糖尿病関連フェイスシート参照)

1 糖尿病と診断されている利用者に対し、初回訪問までに、診断、血糖コントロール状況、合併症、具体的な治療方法および治療目標について主治医に確認し、記載する。
2 糖尿病と診断されている利用者に対し、初回訪問時に、セルフケア状況を把握する。
3 糖尿病関連フェイスシートの記載内容を必要時(指示内容の変更時等)ならびに定期的(1回/年以上)に更新する。

急性合併症の予防・早期発見

4 訪問時に、糖尿病の定期受診の状況ならびにそこから得られる糖尿病に関連する情報を把握している。
5 定期的(1回/月以上)に看護師が体重測定(または皮下脂肪厚測定)を行う。
6 体重(または皮下脂肪厚)に5~10%/月以上減少した場合は血糖測定、頻尿・脱水の確認を行い、増加時には血糖測定を行った上、必要と判断されれば主治医に相談する。
7 シックディ対応が必要な時は血糖測定・脱水の把握・食事摂取量の確認を行った上、必要と判断されれば主治医に相談する。
8 糖尿病の薬物療法を行っている利用者に対し、低血糖様症状がおきていないかを確認し、頻繁に起きている場合は主治医に相談する。
9 糖尿病の薬物療法を行っている利用者に対し、糖尿病昏睡の予兆がみられないか観察するとともに、本人・介護者への対処方法の指導など早期対応が可能な環境を整える。
10 利用者に普段と異なる行動や気になる症状等がみられることがないか、同居家族などに確認する。

インスリン治療者に対する事項

11 糖尿病関連フェイスシートの通り食事・自己注射が行われているかを、本人・介護者および薬の残量などから確認する。特に、一人暮らしの高齢者の場合、認知機能の低下によりインスリン自己注射が正確に行われているかどうか定期的に把握する。
12 インスリン指示量(単位数)、インスリン注射器の種類、注射回数や時間帯等が変更された場合は、本人ならびに家族がその変更を理解し、正確に実施できるかどうか確認する。
13 インスリン注射が指示通り行われない場合はその原因を明らかにし、対処方法について検討し、必要時主治医に相談する。
14 指示されているインスリン量、インスリン注射器の種類、注射回数や時間帯等が、利用者の生活に支障を生じさせていると考えられる場合は、その旨を主治医に伝え、治療法の再検討を依頼する。
15 インスリン自己注射をしている本人の認知能力・身体機能の低下が進行した場合は、他者(家族・その他の介護者)の(一部または全面的)介助や補助具を検討し、主治医に報告する。インスリン注射の実施者の変更に伴い、現在の注射方法では困難な場合や問題が生じる場合は、適切な方法や可能なリソースについて検討し、必要時主治医と相談する。
16 低血糖・高血糖(の可能性)が判断される場合、食事回数・量・時間、運動(入浴を含む)量・時間、インスリン作用時間を総合的に観察・把握し、その原因を予測し、対処方法についてアドバイスする。
17 血糖自己測定を行っている利用者に対し、異常値と思われる値が出る場合は、SMBG器の故障等がないか確認する。

糖尿病薬内服治療者および食事療法のみ者に対する事項

18 糖尿病関連フェイスシートのとおり食事・服薬が行われているかを、本人・介護者および薬の残量などから確認する。
19 内服薬の種類や量が変更された場合は、本人ならびに家族がその変更を理解し、正確に服薬できるかどうか確認する。
20 認知能力・身体機能の低下がみられる場合、適切に療養が継続されるための他者(家族・その他の介護者)の介助(一部または全面的)を検討する。
21 低血糖・高血糖(の可能性)が判断される場合、食事回数・量・時間、運動(入浴を含む)量・時間、内服薬作用時間等を総合的に観察・把握し、その原因を予測し、対処方法についてアドバイスする。

感染症・危険予防

22 糖尿病と診断された介護度2以上の利用者に対し、口腔内を観察し、感染の徴候・異常(疼痛・発赤・腫脹・潰瘍・変色)がないかを確認し、必要時口腔ケアを指導し、異常がみられればすぐに歯科受診(往診)させる。
23 糖尿病足病変のハイリスク分類で1以上(知覚神経障害あり)の利用者に対し、足を観察し、感染の徴候・異常(白癬、靴擦れ、皮膚の肥厚や胼胝、爪の変形等)がないかを確認し、必要時フットケアを指導し、異常がみられればすぐに受診させる。
24 糖尿病神経障害による起立性低血圧がある利用者に対し、転倒に注意する方法を具体的に指導する。  → 「8.転倒予防」参照

長期療養の支援

25 糖尿病やその管理(食事療法、薬物療法)に伴う対象者ならびに家族の負担について尋ね、長期療養の過程で生じる種々の問題に共に考える姿勢でいることを伝える。
26 適切な療養の継続が困難となる問題の把握とその原因・対応方法について、記録に残す。

関連書籍

高齢者訪問看護の質指標

―ベストプラクティスを目指して―

日本看護協会出版社

ISBN-10: 4818013404

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