ITC_002_VLU_用語統一案_kitano

Venous Leg Ulcers: 用語統一案  20170217ver. 北野  (今後修正の可能性あり)

20170217修正した点は、以下の項目のみです。

Compression bandage

venous hypertension

assistive devices

RCT

Cochrane review

 

Venous Leg Ulcers:  用語統一案  20170217 ver. 北野  (今後修正の可能性あり)
青字 : 文末に略語リストとして掲載予定
統一すべき用語翻訳方針思考過程・考察
VLU
Venous leg ulcers
方針:静脈うっ滞性下腿潰瘍 と訳す。

本文中も、中タイトルには「静脈うっ滞性下腿潰瘍(VLU)」と明記する。
医学会用語集:該当用語なし

UptoDateのタイトルより:
下肢慢性静脈疾患=
Lower extremities chronic venous disease
うっ滞性皮膚炎=stasis dermatitis
下腿潰瘍=leg ulcers 

医中誌検索すると:
静脈うっ滞性皮膚炎・静脈うっ滞性(下腿)潰瘍の記載多い。
• 臨床皮膚科 (0021-4973)68巻6号 Page459-464(2014.05)、 日本形成外科学会会誌 (0389-4703)35巻3号 Page185(2015.03)、日本皮膚科学会雑誌 (0021-499X)127巻5号 Page1157(2017.05)

日本皮膚科学会ガイドライン:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―5:
下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドラインには、「下腿潰瘍」「うっ滞性潰瘍」の用語が混在

訳語候補:静脈性下腿潰瘍、静脈うっ滞性下腿潰瘍。
静脈性下腿潰瘍も間違いではないが、そもそもvenous leg ulcersが日本では認知度が低いことも踏まえ、病名のみで病態に直結する「静脈うっ滞性下腿潰瘍」の方が望ましいと判断した。

VLUが日本でなじみがないため、中タイトル等には静脈うっ滞性下腿潰瘍(VLU)と繰り返し表記する。

Venous dermatitis静脈うっ滞性皮膚炎Venous leg ulcers=静脈うっ滞性下腿潰瘍に対応させて
Venus dermatitis=静脈うっ滞性皮膚炎にします。
(静脈性皮膚炎ではなくて)
CVI
Chronic venous insufficiency
方針:
「慢性静脈不全症」で統一する。
中タイトルなどは慢性静脈不全症(CVI)と併記し、本文内はCVIを使ってもOK
UptoDate のタイトルより
Lower extremities chronic venous insufficiency= 慢性下肢静脈不全 

メルクマニュアル:
Chronic venous insufficiency= 慢性静脈不全症 

日本皮膚科学会ガイドライン:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン― 5 :
下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドラインには「 Chronic venous insufficiency= 慢性静脈不全症」と明記されている。

CVI が日本でなじみがないため、中タイトル等には慢性静脈不全症( CVI )と繰り返し表記する。
LDS
Lipodermatosclerosis
方針:脂肪皮膚硬化症(Lipodermatosclerosis)と併記にする医学会用語集:該当用語なし
UptoDate :該当タイトルなし

医中誌: lipodermatosclerosis のままのタイトルが多いが、
脂肪皮膚硬化(症)も散見される。
静脈学 (0915-7395)25 巻 2 号 Page252(2014.03)

商業誌の総説:脂肪皮膚硬化症と記載あり
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/48/3/48_275/_pdf
BMI方針:
BMI(ボディマス指数) 初出は併記、以降BMIのみでOK
医学会用語集:
BMI は、 body mass index 、ボディマス指数の両方記載あり。
Compression therapy圧迫療法医中誌のキーワードに「圧迫療法」あり。
静脈うっ滞性皮膚炎・下腿潰瘍の分野の論文タイトル・総説タイトルにも「圧迫療法」使われているものもあり。
日本血管外科学会雑誌 (0918-6778)24巻3号 Page405(2015.05)、 静脈学 (0915-7395)13巻4号 Page253-259(2002.09) 

日本皮膚科学会ガイドライン:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―5:
下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン の本文に「圧迫療法」と記載あり。
Compression stocking弾性ストッキング医学会用語集にcompression stocking =弾性ストッキング と記載あり
Compression bandage圧迫包帯医学会用語集には  compression bandage= 圧迫包帯となっている。
ITC本文にも、「圧迫包帯」の中に、弾性包帯(elastic)と、非弾性包帯(non-elastic)があると記載あり。
ABI
Ankle-Brachial Index
方針:
初出は足関節上腕血圧比(ABI)と併記、以降はABIでOK
医学会用語集:足関節上腕血圧比
Bates診察法(メディカルサイエンス、第2版 p.520):足関節上腕血圧比
PAD
Peripheral arterial disease
方針:
末梢動脈疾患(PAD)と初出は併記し、以降はPADでもOK
医学会用語集:末梢動脈疾患、閉塞性末梢動脈疾患が両方併記されている

UptoDateのタイトル:
PAD=末梢動脈疾患 

日本循環器病学会用語集:
PAD=末梢動脈疾患
occlusive peripheral arterial disease=末梢動脈閉塞疾患
Morphea方針:斑状強皮症(morphea)とする。医学会用語集:
モルフィア、斑状強皮症★が併記 ( ★は、より一般的の意味 )  

方針:「斑状強皮症」だけにしてしまうと、意味がわからない時に調べにくい。 Morphea のほうが web から情報を拾いやすい。かといって morphea あるいはモルフィアだけだと、日本語文の中で意味が分からず読み進めにくい。よって斑状強皮症( morphea )と併記とした。
Color duplex  ultrasonographyカラードプラエコー検査他の候補:
カラー複式超音波検査:あまりに聞き馴染みがない。

日本皮膚科学会ガイドライン:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン ―5 :下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン の本文に「カラードプラエコー検査」と記載あり。
Photo plethysmography
Air plethysmography
方針:
「光や空気圧を使った脈波検査(プレチスモグラフィー)」と表記する 
医学会用語集
Photoplethysmography= フォトプレチスモグラフィー
Air plethysmography= 記載なし。

Weblio :
Plesthysmography= プレチスモグラフィー、脈波検査、容積変動測定 

Photoplethysmography の論文あり: http://www.jvascsurg.org/article/0741-5214(92)90103-F/fulltext#section.0025  
光を当てて脈波を見るらしい。

翻訳文としては「プレチスモグラフィー」で正しいが、あまりに理解不能で読み進めにくい。

「光や空気圧を使った脈波検査 ( プレチスモグラフィー ) 」とする。イメージがつかみやすく、そのまま読み進めやすいと思う。


HBOT
Hypoerbaric oxygen therapy
高圧酸素療法「HBOT」と、「高圧酸素療法」で 字数それほど変わらないので「高圧酸素療法」のままにします。

日本では、「HBO」が聞き馴染みがありますが、「HBOT」は聞き馴染みがないです。

ほかにも VLU, CVIなど聞きなれない略語が多いので、略語表記をこれ以上なるべく増やさない方がいいと判断しました。
Pinch graftピンチグラフトhttps://ci.nii.ac.jp/naid/40018974449
皮膚をつまんで切り取ってくるグラフト
http://files.dvm360.com/alfresco_images/DVM360/2013/10/26/be486cea-686b-406a-b6d3-8f37481b935d/Sidebar_B_450.jpg
Graft ‘take’ ITC28右側グラフトの生着率
グラフトの生着
Graft ‘take’が医療俗語らしく、グラフトの定着率のことのよう。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S107921049790007X 

UptoDate>Skin grafting and skin substitutes>Graft takeにもThe rate of graft take = skin graft survivalと記載あり
Edge effect
Edge healing
ITC28 右側
辺縁効果
辺縁治癒
「エッジ治癒、エッジ効果」と記載されていると、「edge healing, edge effectだから、たぶん移植皮膚片周囲や創傷辺縁から治ってくることだろう」と2段階で考えないといけない。

「辺縁治癒」「辺縁効果」の方が一段階で理解しやすいと思う。
BLCC 
Bilayered living cellular construct
二層性の生体由来の培養皮膚 BLCCは、同種培養皮膚
http://www.nedo.go.jp/content/100088315.pdf 

意訳にしないと意味がわからないと思ったので、左記にしました
Vascular medicine and surgery
podiatry and dermatology 
血管内科
血管外科
足専門科
皮膚科
venous hypertension静脈圧の亢進他候補:
静脈性高血圧⇒直訳であり、訳としては正しいが、瞬時に理解しにくい。
静脈圧の亢進・静脈圧亢進⇒意訳ではあるが、病態に直結しており、瞬時に理解しやすい
assisitive devices ITC 26(弾性ストッキングの)装着補助具補助具で訳としては正しいが、これだけで理解しにくい。
弾性ストッキングの装着補助具が何種類かあり、これらを差しているので、
読んだだけで理解できるように「装着補助具」とする。https://www.youtube.com/watch?v=HSzHSUaDZNg
RCT初出はランダム化比較試験(RCT)
として以降RCT
Cochrane reviewコクラン・レビュー他候補:
コクランレビュー
Cochrane Collaborationによる最新のシステマティックレビュー
Cochraneの系統的レビュー