東京大学医学部附属病院 心臓外科・呼吸器外科

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教授挨拶

先端的―でも「普通な」診療科

東大病院呼吸器外科 教授
佐藤 雅昭
  • 東大呼吸器外科は、意外と「普通の」病院・診療科で、敷居はぜんぜん高くありません
  • 肺移植など高度な医療をやっているからこそ、基本を大切にしています
  • 肺がん、気胸、膿胸など、一般的な胸の病気をしっかり診させていただきます
佐藤 雅昭

2023年8月、東大病院呼吸器外科教授を拝命しました佐藤雅昭と申します。当科では肺を中心とした胸の病気に対する診断・治療を行います。代表的な病気としては、肺がんや転移性肺腫瘍(他の部位のがんの肺への転移)などの悪性腫瘍、縦隔腫瘍、気胸、膿胸があげられます。治療としては低侵襲な胸腔鏡手術、ロボット手術を多く行っています。早期小型肺癌などを対象に、過不足なく精密な縮小手術を可能にするVAL-MAP法は当院で先進的な取り組みを続けている、世界からも注目されている先端的方法です。加えて都内では唯一の肺移植実施施設として年30-40件の肺移植を行っており、実施数としてはここ数年、国内で最も多くなっています。また大学病院として多くの基礎・臨床研究を行っています。

このように書くと何だか敷居が高そうに聞こえるかもしれませんが、決してそんなことはありません。実は意外と「普通の」病院、診療科です。確かに大学病院の使命として、肺移植や低侵襲手術など先端的治療を手掛けていますが、それらの高度医療を行うためには、しっかりとした「基本」が大切と考えており、決してそれを疎かにすることなく、気胸や肺がんといった一般的な呼吸器外科診療に力を入れています。例えば自然気胸の手術にも必ず専門医が携わりますし、区域切除以上の出血リスクを伴う手術では専門医2名が手術に立ち会います。より安心で信頼のおける医療を提供するためです。また肺移植に代表される緊急手術にも常に対応できる体制をとっており、近隣施設からの急な要請に可能な限りお応えしています。英語、中国語での診療も対応しています。

大学病院として最高度の医療を提供しつつ、患者さんやご家族、紹介元の先生にとっては敷居が低く親しみのもてる診療科でありたい―そんな思いから東大病院呼吸器外科は「先端的で普通な診療科」をキャッチコピーに、これからも皆様の信頼をしっかりと得られるよう、スタッフ一丸となって取り組んでいきたいと思います。

まとめ

東大病院の呼吸器外科は、気胸・膿胸から肺がん(疑い)などの肺結節、そして肺移植まで幅広く診療している、「高度な医療もやっている、意外と普通の診療科」です。患者さん、ご家族、紹介元の先生に安心して検査・治療をお任せいただけるよう、基本を大切にがんばっています。

呼吸器外科