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新生児ヘモクロマトーシス

<診断のポイント>

  • よくみられる臨床症状は、出血傾向でその原因は播腫性血管内凝固です。多くは生後数日以内、遅くても生後1か月未満に発症します。
  • 特徴的検査所見は、凝固能の低下で、プロトロンビン時間が20秒以上あるいはINRが2以上の場合、この疾患を疑います。ALTの異常は軽度に留まることが多いです。


<総論および病態>

新生児ヘモクロマトーシスは、肝臓とそれ以外の臓器(主に、心臓、膵臓、唾液腺)に鉄沈着をきたします。鉄が臓器に過剰に沈着して臓器障害をおこすため、ヘモクロマトーシスと呼ばれていますが、遺伝性ヘモクロマトーシスとは全く異なる病気で、今のところ遺伝子異常は認められていません。現在、最も有力なのは母子間の同種免疫疾患です。そのほか、ダウン症に伴う一過性骨髄異常増殖症(TAM)、血球貪食症候群、ミトコンドリア肝症など胎児期に重篤な肝障害を伴った場合も同様の病像を呈します。


<診断の詳細>

世界的にも診断基準は確立していません。生後1か月未満の症例で凝固能低下が認められ、肝臓のMRIで鉄沈着を示唆する画像が得られれば、新生児ヘモクロマトーシスを疑ってトランスフェリンの飽和率を測定してください。30%を超え、唾液腺の生検で鉄沈着があれば可能性は高いです。


<治療と予後>

予後は様々ですが、肝不全で死亡する頻度が高いです。無治療で寛解する症例もあります。肝移植をおこなっても他の代謝疾患ほど生存率は高くありません。鉄キレート剤と抗酸化療法を行いますが、わが国では入手できない薬剤が一部あります。一方、最近では同種免疫疾患の観点から、免疫グロブリン製剤や交換輸血によって救命できた症例報告がみられています。


<参考文献>

1. Inui A, et al. A case of neonatal hemochromatosis-like liver failure with spontaneous remission. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2005 40:374-7.
2. Escolano-Margarit MV, et al. Exchange transfusion as a possible therapy for neonatal hemochromatosis. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2010 50:566-8
3. .Rand EB, et al. Treatment of neonatal hemochromatosis with exchange transfusion and intravenous immunoglobulin. J Pediatr. 2009 ;155:566-71
4. Whitington PF, et al., Outcome of pregnancies at risk for neonatal hemochromatosis is improved by treatment with high-dose intravenous immunoglobulin. Pediatrics. 2008 ;121:e1615-21.
5. Rodrigues F, et al. Neonatal hemochromatosis--medical treatment vs. transplantation: the king's experience. Liver Transpl. 2005 ;11:1417-24.


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