ビタミン強化食品など、いわゆる機能性食品は世界中で普及しています。しかしなぜ人々は機能性食品を買うのでしょうか?健康のためと思って買うのでしょうか?おそらく実際は「機能性食品を買う自分がカッコイイ」「つい買ってしまう」「友達が買っているから」といった様々な理由が考えられるのではないでしょうか。
日本と同様、機能性食品の市場が拡大しているリトアニアに住む900人へのインターネット調査により、顕示的消費傾向(カッコよく見せるために買う傾向が強い)人や、社会や周囲の考え方や規範の影響を受けやすい人は、機能性食品を高く評価していました。一方で自制心のある人は機能性食品を低く評価していました。
実際、機能性食品業界でのマーケティングや健康増進において、政策立案者やマーケティング担当者は、顕示的消費など消費者の社会的な動機にも働きかけているようです。過剰に機能性食品を買ってしまったり、適切に摂取するように促すためにも、消費者の行動の背景にある心理を解明することは役立つと思われます。
この研究はリトアニアのJustina Gineikiene氏の研究チームとの共同執筆論文です。国際学術誌 Appetite に掲載されました。
書誌情報:Barauskaite, D., Gineikiene, J., Auruskeviciene, V., Fennis, B. M., Yamaguchi, M., & Kondo, N. (2018). Eating healthy to impress: How conspicuous consumption, perceived self-control motivation, and descriptive normative influence determine functional food choices. Appetite.
https://doi.org/10.1016/j.appet.2018.08.015