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新聞で取り上げられました。<高齢者うつ>回復の決め手、やはり「人とのつながり」

所属する研究チームの成果が毎日新聞に取り上げられました。

超高齢社会の日本で増加が心配されているうつ状態の高齢者のうち、地元への愛着が強かったり、趣味のグループ活動に参加したりする人はうつ状態から回復しやすいとの研究成果を、千葉大などのグループがまとめた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160109-00000018-mai-soci

本教室の大学院生4名が受賞!2015年日本疫学会一般の方向けスライドショーコンテスト

日本を代表する疫学関係の学会:日本疫学会が実施した「2015年日本疫学会一般の方向けスライドショーコンテスト」に本教室の大学院修士課程4名が作成した応募して、最優秀賞をいただきました。

社会疫学の挑戦 ー社会と健康を科学するー 因果関係を考えよう! (ppt:1.31MB)
小林三奈美 芝孝一郎 橋本直也 平川亜耶佳
(東京大学医学系研究科 公共健康医学専攻 保健社会行動学分野)
ダウンロードサイト http://jeaweb.jp/activities/about_epi-research.html

社会疫学の研究について、平易な言葉とわかりやすいイラストで描かれています。ぜひ一度ご覧ください。

協力自治体の熊本県御船町が「第 4 回健康寿命をのばそう!アワード」受賞

厚生労働省プレスリリース:
https://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M102068/201511165661/_prw_OR1fl_j07lEb6g.pdf
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201511165661/

御船町のお知らせ記事:
http://portal.kumamoto-net.ne.jp/town_mifune/life/pub/detail.aspc_id=19&id=1402&pg=1&wd=&SelY=0&SelM=0&SelD=0&bkc_id=12&type=new

御船町ホームページより引用:
「平成27年11月16日東京丸ビルホールに於いて、厚生労働省主催による「第4回健康寿命をのばそう!アワード」表彰式が開催され、御船町が介護予防・高齢者生活支援分野、自治体部門で厚生労働省 老健局長 優良賞を受賞しました。
「健康寿命をのばそう!アワード」は生活習慣病の予防・啓発及び地域包括ケアシステムの構築に向け介護予防・高齢者生活支援に関して優れた取組みを行っている企業・団体・自治体を表彰する制度で「母子保健分野」「生活習慣病予防分野」「介護予防・高齢者生活支援分野」の3分野で大臣賞・局長賞を表彰するものです。
介護予防・高齢者生活支援分野、自治体部門では全国で2つの自治体が表彰を受け、御船町はその1つに選ばれたものです。
御船町が受賞した内容は「住民主体の介護予防活動」で、これは住民主体の介護予防の取組みを推進するため、平成15年度から介護予防サポーターの養成を始め、地域の介護予防サポーターや関係者が中心となった「地域サロン」「元気クラブ」の介護予防活動が評価されたものです。
「地域サロン」は85行政区中72行政区(85%)で実施され、「元気クラブ」は10の旧小学校区すべてで実施されています。
御船町の要介護認定率は全国平均よりも低く「住民主体の介護予防活動」が功を奏しています。
この賞は、地域の介護予防サポーター・関係住民が受賞したものです。 」

研究セミナー:栄養疫学におけるエビデンスの構築 ~メタ解析の実際と課題~

ケンブリッジ大学で精力的に研究を進めている今村文昭氏をお呼びして、研究セミナーを開催します。

第2682回集会 (2016.1.12).pdf

第2682回東京医学会集会
場所:東京大学本郷キャンパス医学部教育研究棟2回第1・2セミナー室
主催:東京医学会
共催:保健社会行動学分野/健康教育・社会学分野

栄養疫学におけるエビデンスの構築 ~メタ解析の実際と課題~

演者:今村文昭氏 (Dr Fumiaki Imamura)                          
所属:英国ケンブリッジ大学医学部
Medical Research Council疫学ユニット

近年、栄養疫学の発展が目覚しく、その領域の多くの研究が医学雑誌に報告されている。そしてその成果はGlobal Burden of Disease Projectを含め予防医学の研究や政策に応用されている。その過程においてメタ解析に基づく量的なエビデンスが必須であり、その発展は目覚しい。しかしメタ解析やエビデンスの評価には多くの問題が存在している。この機会では、栄養疫学におけるメタ解析の役割、実例(Imamura et al., BMJ, 2015)と課題について紹介する。

略歴:上智大学理工学部(理学士)、米国コロンビア大学修士(栄養学)、タフツ大学博士課程(栄養疫学)、ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェローを経て現職
近年の主な業績:
• Annals of Internal Medicine (2010-2015), BMJ (2015) Best Reviewer
• Imamura F et al. Dietary quality among men and women in 187 countries in 1990 and 2010: a systematic assessment. Lancet Glob Health 2015;3(3):e132-142
• Imamura F et al. Consumption of sugar sweetened beverages, artificially sweetened beverages, and fruit juice and incidence of type 2 diabetes: systematic review, meta-analysis, and estimation of population attributable fraction. BMJ 2015;351:h3576

スポーツグループの参加者の特徴は? ~女性で1.4倍、趣味の会参加者で5倍多い~

国際科学誌PLoS Oneより論文が出版されました。山梨大学の山北満哉さんと書いた論文です。

オリンピックに向け、スポーツの振興が各方面で進められています。これまでにスポーツグループに参加することが要介護のリスクを低下させることは示されていますが、スポーツグループへの参加を促進するための要因はわかっていません。そこで本研究は、65 歳以上の高齢者78,002名を対象として、スポーツグループの参加にどのような要因が関連するかを検討しました。その結果、男性、低学歴者、低所得者、就業者、農林・漁業職者等でスポーツグループへの参加が少なく、周囲の精神的サポートがある人、近所付き合いが豊かな人、趣味の会や老人クラブに参加している人で多いということがわかりました。

スポーツの会への参加を進めている自治体や各種団体の役に立てばと思います。

プレスリリースページ:http://www.jages.net/#!/cl20 (番号 065-15-10)

ハーバード大学ビシュワナシュ教授講演会のお知らせ

ヘルスコミュニケーション研究の大家であるハーバード大学のビシュワナシュ教授をお招きして、講演会を開催します。健康情報へのアクセス格差やコミュニケーション格差の解消により健康格差を縮小させることをねらいとした多くの介入研究のご経験をお持ちです。貴重なお話を聞ける良い機会です。奮ってご参加ください。簡易な逐次通訳があります。

参加登録はこちら: https://docs.google.com/…/1MlSl553QnBII-vcLoCpPqk5…/viewform

講演会チラシはこちら: http://square.umin.ac.jp/igakukai/02toppage/2679.pdf

ビシュワナシュ教授略歴: 1990年ミネソタ大学から博士号取得.オハイオ州立大学,米国国立癌研究所(National Cancer Institute, NCI)などを経て現職.Journal of Health Communication, Journal of Cancer Education, Health Education Research and Mass Media などの学術誌上に多数の論文を発表するほか,Health Behavior and Health Education: Theory, Research, and Practice (2008年)のような公衆衛生・ヘルスコミニケーション分野の代表的な教科書の編者としても知られる。

共同通信社の47ニュース報道「高齢者の孤食にうつの危険 独居男性は2・7倍」

共同通信社の47ニュースやyahoo!ニュース等で研究成果が報道されました。本教室の特任研究員、谷友香子を筆頭著者とする研究成果です。http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015102701001907.html

独りで食事をすることが多い「孤食」の高齢者は、一緒に食事をする人がいる高齢者に比べてうつになりやすいとの研究結果を、東京大の谷友香子研究員(栄養疫学)らの研究チームが27日までに発表した。独り暮らしの場合、女性の孤食はうつの可能性が1・4倍、男性は2・7倍にもなった。谷さんは「友人や近隣の人を巻き込んで食事することを勧めたり、地域で会食サービスを行ったりすることが、予防に有効ではないか」と話している。研究には、2010年の時点で気分が落ち込むなどのうつ傾向がなく、要介護認定を受けていない全国の65歳以上の約3万7千人が協力した。

詳しい解説は以下のプレスリリースをダウンロードしてください。

ひとり暮らしの男性はひとりで食事をしていると2.7倍うつになりやすい
要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のうち、2010年にうつ症状のない37,193名を3年間追跡した結果、孤食(ひとりで食事をとること)の人ほどうつ症状を発症していることがわかりました。孤食となるかどうかは世帯状況に影響を受けるため、同居(誰かと暮らしている)か独居(ひとり暮らし)かの違いを考慮して検討した結果、独居男性では孤食だと共食(誰かと一緒に食事をとること)に比べて2.7倍うつを発症しやすい可能性があることがわかりました。一方女性では、同居でも独居でも孤食であると1.4倍うつを発症しやすいという結果が得られました。高齢者のうつ予防には孤食ではなく共食を進める施策の必要性が示唆されました。

ダウンロード: https://www.dropbox.com/s/ygfhoqp82ddv5w0/061-15-06%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%82%8A%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AE%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%AF%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%A7%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A82.7%E5%80%8D%E3%81%86%E3%81%A4%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84.pdf?dl=0

TBSニュースで報道されました「肥満男性の死亡リスク・低所得で高」

このほど論文として発表した研究結果がTBSの夕方のニュース「Nスタ」で紹介されました。

男性の肥満による死亡リスクは低所得者で約2倍高くなる
~肥満傾向にある男性では所得の格差により,死亡リスクに差があり,低所得者で約2倍高いことが明らかになりました~

65歳以上の健常者14,930名を対象とした4年間の追跡調査によって、肥満傾向にある男性では所得の格差により死亡リスクに差があり、低所得者で約2倍高いことが明らかになりました。体格指数Body Mass Index(BMI)を用いて検討した結果、全体的には痩せにおいて死亡リスクが高いことが示されました。しかし、BMIが25以上の肥満傾向にある男性では、高所得者の死亡リスクはBMIが23.0~24.9の人々に比べて0.94倍であったのに対して低所得者では1.96倍と、所得による違いがみられました。このような違いは、痩せの人々や女性においてはみられませんでした。痩せへの低栄養対策などとともに所得などの社会経済的状態も考慮した施策の必要性が示唆されました。

出版された論文は以下です。予防医学に関する国際専門誌「Preventive medicine」に掲載されました。

Nakade, Takagi, et al. Influence of socioeconomic status on the association between body mass index and cause-specific mortality among older Japanese adults: The AGES Cohort Study.

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091743515001747

また、プレスリリースは以下からダウンロードできます。
https://www.dropbox.com/s/uepwy3cbzwmj4ia/058-15-03%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%AE%E8%82%A5%E6%BA%80%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%BD%8E%E6%89%80%E5%BE%97%E8%80%85%E3%81%A7%E7%B4%842%E5%80%8D%E9%AB%98%E3%81%84.pdf?dl=0

日本Health Promoting Hospitals Networkが発足

病院は病気になった患者さんを治療する場所ですが、近年、病院や医療機関から積極的に地域に出ていって、病気になる前の健康づくりを進めよう、というう動きが高まっています。

このほど、病院でそのようなヘルスプロモーションの活動を推進する35医療機関が連携して、世界保健機関の国際ヘルスプロモーション病院(Health Promoting Hospitals, HPH)ネットワークのメンバーとして、 日本HPHネットワークが発足し、10月17日、都内で結成式が行われました。

同ネットワークには、運営委員件顧問として参画することになりました。  

NHKニュース「ふだん笑わない高齢者ほど「健康状態悪い」」

東京大学医学部生林さんと書いた論文がNHKで紹介されました。

笑わない人では健康感が悪い人が1.5倍以上多い

笑いが健康に良いことは、がん、うつ病、心臓病、糖尿病、骨粗鬆症などで報告されています。しかし、社会参加状況や社会経済状況によって笑いの頻度や質がどう違うのか、また死亡率とも関連する健康感との関連の研究はされてきませんでした。

今回、65歳以上の高齢者20,400人を対象に、社会参加状況や社会経済状況などの影響を考慮して、笑いの頻度・場面と自己評価した健康感との関係を分析しました。

その結果、社会参加が少なく、社会経済状況が悪い人ほど笑いの頻度や質が低く、その影響を考慮しても、笑う頻度が最も少ない群では、自己評価した健康感が低いグループに当てはまる割合が、ほぼ毎日笑う群に比べて女性で約1.78倍、男性で1.54倍高いことが分かりました。この結果は、社会参加状況や社会経済状況に関わらず、笑いが高齢者において全般的・精神的な健康を向上させるのに有用である可能性を示唆するものです。

全文は次のリンクへ:
https://www.dropbox.com/s/c1lq3jqz7ene735/060-15-05_%E7%AC%91%E3%82%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%A7%E3%81%AF%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%84%9F%E3%81%8C%E6%82%AA%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%8C1.5%E5%80%8D%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E5%A4%9A%E3%81%84.pdf?dl=0