行之又逆人情
- 雑事
- by shenquzhai
- 2006/06/05
友人が送ってくれた書物に「東漢魏晋南北朝房中経典流派考」という文章が有る。中に紹介されている巫子都が漢の武帝に答えた中に、「陰陽之事,公中之私,臣子所難言也,又行之又逆人情,能為之者少」と言う。君主のプライベートなことについて、臣下としてつべこべ言いにくい、というのは良い。「これを行うのは人情に逆らう」とは、如何なる意味か。かの貝原益軒の戒めのことばかりではなさそうである。『医心方』房内篇に引かれた青牛道士の説に、「數數易女則益多,一夕易十人以上尤佳。常御一女,女精氣轉弱,不能大益人,亦使女瘦痟也」とあると紹介されている。つまり、他人の精気を奪うのである。女をやせ衰えさせて、自分だけが不老長寿を得ようとするのである。他を傷なって己の生を養うことには、仙人でさえも「行之又逆人情」と言う。内心忸怩たるものは有ったらしい。巫子都自身はそう言いながら実行しているですがね。要するに愛情が伴う、互いの健康を気遣うような行為では実効を伴わないと言っているらしい。
移植医療というものも、切羽詰まった状況にないものがつべこべいうべきではないけれど、提供されるのを期待して待つというのは、やっぱり「人情に逆らう」ことではあると思う。
移植医療というものも、切羽詰まった状況にないものがつべこべいうべきではないけれど、提供されるのを期待して待つというのは、やっぱり「人情に逆らう」ことではあると思う。