靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

みんな馬鹿

 『自分以外はみんな馬鹿』とかいう新書がベストセラーだそうです。断っておきますが、買ってないのは勿論、手に取ってすらいません。本屋の平積みを眺めただけです。だからこれは批評ではない。
 「自分以外はみんな馬鹿」、当たり前じゃないですか。青春のある時期に、そんなことを考えた一瞬は有るでしょう。少なくとも、「とんでもない」という人は、私とは違う種類の人です。ただ、悲しいことにほとんどすぐ次の瞬間には、「自分を含めてみんな馬鹿」と変更せざるを得なくなる。そんな必要がなかったごくごく僅かな人を、天才と呼ぶ。
 「おれはやるぜ」
 「何を?」
 「何かをさ」
 紛れもない馬鹿である。しかし、このあと一呼吸おいてニヤリとしていたら、人生という茶番劇の科白としては、そんなに悪くもないかも知れない。みくだしているのではなくてふてくされている

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