靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

通行の繁体字

 仁和寺本『太素』の飜字を試みていますが、もし可能な限り原本通りに入力すれば、九鍼要道の冒頭は次のようになります。
黄帝問歧伯曰余子萬民養百姓而収其租
稅余哀其不終属有疾病余欲勿令
被毒藥無用砭石欲以微鍼通其𦀇
調其血氣營其𨒫順出入之會令可傳
於後世
と言うのは嘘です。パソコンで可能な最大限度というに過ぎません。いくつかの文字が表示されてない閲覧者がいると思いますが、おそらくはユニコードCJK統合漢字拡張領域Bの漢字です。2箇所に使用しています。もしその字形に拘るのなら、言い換えればこの水準で拘るのなら、「傳」には人偏に専の字を造りたいところです。「逆」も本当は辶に羊ではなくて、廴に羊とみるべきかも知れません。そういうものはさすがに拡張領域Bにも有りません。「𨒫」なら有ります。
 だからいっそのこと通行の繁体字に統一しようかとも思います。影印が有るんだからそれで良いじゃないか、という意見に耳を傾けるということです。そうすると今度は、通行の繁体字って何なんだ、ということになる。面倒だから『康煕字典』体と答える。すると虚じゃなくて虛、絶じゃなくて絕を使うことになる。何だかこれも馬鹿馬鹿しい。じゃあ、ということで当時の学者が正しい字と考えていた形に統一しようかと、試みてはいるけれど、これは資料が足りないのだからはじめから不可能は知れている。やってみているだけです。
 で、結局のところ凡例づくりが一番難しい。

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