頭蓋咽頭腫 craniopharyngioma クラニオとは

  • 手術で取れてしまえば治るのですが,手術が難しいことが最大の特徴です
  • 頭蓋咽頭腫はcraniopharyngiomaというので業界用語でクラニオと呼ばれます
  • 病理学的には良性の腫瘍ですし、転移したりはしません
  • 子供たちにも成人にも発生する腫瘍です
  • 脳の中心の視床下部と下垂体というところに発生してくっつきますし,視床下部に浸潤しているものもあり、それを摘出すれば当然、視床下部組織の損傷がおこります
  • 小さなものでは1cmくらいから大きなものでは数cmになるものまであります
  • この腫瘍は大きくなるととても面倒です
  • 大きくなると第3脳室、鞍上部、トルコ鞍から周囲に広がりますし,放っておいたらほとんどが大きくなってくるので、私は診断がついたら経過を見ないでなるべく手術治療を選んだ方が良いと考えています
  • もちろん例外もあって,成人では経過観察しても大きくならないものもあります
  • ですから成人で,偶然発見された無症状のものはまず経過観察するのも選択肢です
  • ラトケのう胞を頭蓋咽頭腫と間違えることがありますが,症状がないあるいは軽いラトケのう胞は治療しなくていいことも多いので気をつけて
  • 治療が成功しても認知機能障害や視力視野障害やホルモンの不足など,なんらかの後遺症を残すことが多い病気です
  • 肥満は頭蓋咽頭腫にとても多い合併症です
  • 治療の目標は,いかに後遺症を少なくして腫瘍を完全に取り除くかです
  • 大きな頭蓋咽頭腫は水頭症があって緊急手術になることがありますが,ちょっとまって! 執刀医にこの腫瘍の手術経験がないとうまくいきません
  • 私は,再発した頭蓋咽頭腫の手術を頼まれることが多いのですが,2回目,3回目の手術はさらに難しいものになっていて,ほとほと困ります
  • 患者さんにとっても脳外科医にとっても,頭蓋咽頭腫の手術はこわいものです
  • 最初の手術で下垂体の機能を温存するのは大切な目標ですが,同時になんとしても腫瘍を治す見込みがもてるような程度の手術結果を出さなければなりません
  • そうしないと再手術を繰り返すドロヌマに入ることになるかもしれない腫瘍なのです
  • 小さい腫瘍には放射線治療は有効なのですが,子どもだと様々な放射線障害が出ます
  • また放射線治療後の再燃(再発)というのも多いです
  • 最終的な予後を決めるのは,初回手術の結果と脳神経外科医の執刀経験です
  • 視床下部と下垂体の機能を残そうとするなら,内視鏡ではなくて微細な操作ができる顕微鏡手術を選択します
症状は
  • おしっこがたくさんでる尿崩症という症状
  • 身長が伸びなくなる(成長ホルモン欠損症,子供の低身長
  • 元気がなくなったり疲れやすい下垂体前葉ホルモンの不足
  • 成人では生理が止まったり,性欲が無くなることがあります
  • ゆっくり眼が見づらくなる視野欠損
  • こどもでは両親が気づかないうちに高度の視力障害になっていることがあります
  • 大きな腫瘍の視力障害は急に進行して手術しても戻らないことがあります
  • 頭の中に水がたまる水頭症による頭痛と吐き気
  • 大きくて腫瘍の周りに強い脳浮腫をみるようなひどい例では,意識障害や認知症や麻痺がでてから来た人もいます
  • とくに注意しなければならないのは,乳幼児の視力障害です,対光反射がはっきりしないところまで行ってしまうと,手術で視神経の圧迫を除いても両側の視力を失うことがありますから,急いで経鼻手術しなければなりません
検査は
  • MRIとCT
  • 眼科での視野検査
  • 内分泌内科か小児科での下垂体ホルモン検査が必ず必要です
  • 視力障害があるかもしれないと思ったら,視力視野検査を急ぎます(急に悪くなるから)
  • 無症状のものは経過観察してもいいのですが,子供の頭蓋咽頭腫はほとんどの例で増大してきますから,かなり頻回にMRI検査をする必用があります
  • 手術前であってもカテーテルを入れる脳血管撮影(DSA)は必要ありません
  • 成人の頭蓋咽頭腫ではまれに数年みても大きくならないものがあります

こんなに腫瘍が大きくなってもちゃんと学校へも行けるし,目立った症状がなかった子供もいます。大人でも同じくらいの大きさのクラニオを見たこともあります。ゆっくり大きくなるので変化に気づかれないのです。逆に,トルコ鞍の中にある2 cmくらいの小さなクラニオもあります。大きさによって手術の難しさは代わりますが,全部取らないと再発する可能性がとても高い腫瘍です。

治療は
  • まず手術、でもむずかしい、子供は特にむずかしい
  • 手術を受けるときには執刀者を選びますが,同様な腫瘍の手術に経験を積んでいないと頭蓋咽頭腫の手術はできません
  • 執刀者が子供の脳腫瘍や頭蓋咽頭腫にどのくらいの経験を持っているかが重要です
  • 多くのクラニオは鞍隔膜の下にありますから,経鼻手術で摘出でできます
  • 開頭を必要とするもので10例くらいの類似の手術経験がめどかもしれせんが、この数字を断定はできません
  • 下垂体から発生してトルコ鞍に入っているものは,鼻の穴からとれます
  • 鼻の穴から蝶形骨洞を通ってトルコ鞍という下垂体が入っているところに到達する方法です(経鼻的な経蝶形骨洞手術)
  • トルコ鞍拡大がある頭蓋咽頭腫では,1歳でも経蝶形骨洞手術はできます(実際にしました)
  • 経鼻手術にも内視鏡手術と顕微鏡手術があります,正常下垂体を剥離して残そうと思う時には精度の高い顕微鏡手術を併用した法がいいでしょう
  • それ以外のものは開頭手術になります
  • 開頭手術の方法には主に2つの到達法があります
  • ひとつは、両側の前頭部を開頭して左右の前頭葉の間からあるいは持ち上げて入る方法です。
  • これは主に鞍上部や第3脳室というところにある頭蓋咽頭腫をとるのに使います
  • もう一つは、右か左かの前頭側頭開頭をして前頭葉と側頭葉の間からのぞく方法で、ちょっと頭蓋底手術に近いものになります。これは主に鞍上部にある腫瘍をとるのに用います
  • 他にも脳梁を切って第3脳室に上から入る方法や,前頭葉の皮質切開で入る方法,錐体骨を削ってみるという方法など,いろいろありますがどれが正しいというのではなくて、手術の方法は腫瘍の大きさと伸びている場所で決まるのです
  • 開頭手術でも鼻からの手術でも,下垂体を残せることもあるし,残せないこともあります
  • それは頭蓋咽頭腫がどこから発生したかで決まることが多いです
  • 大切なことは,下垂体を残そうとして腫瘍も残ってしまって,またすぐに再発(残存腫瘍増大)が生じてしまうような事態を避けることです
  • 場合によっては下垂体柄と下垂体を意図的にとってしまって,腫瘍を全摘出するという判断もしかたがありません
  • 経験が少ないと正しい手術の方法を選ぶことが難しいです
  • ちなみに私は小さい腫瘍も含めて120例くらいの手術経験があります
  • 患者さんの側からはこの腫瘍を手術する外科医の責任が重くてとても苦労することを推察して下さい
意外に危ない手術直後の管理
  • 手術の直後に視床下部と下垂体の機能が悪くなって、体の中の電解質(特にナトリウム)のバランスを崩すことがあります
  • 脳性塩類喪失症候群 (CSWS) と言いますが,このような手術になれている脳外科病棟か内分泌専門の小児科医(内科医)の協力が必要となります
  • 神経下垂体 neurohypophysis を損傷して尿崩症 (DI)となっている時には,術後すぐにデスモプレッシン DDAVP を使用します
  • 上記のような場合はほとんどのケースで,まず低ナトリウム血症になっていきます
  • 高度の低ナトリウム血症 (125mEq/l以下)や高ナトリウム血症(155mEq/ml以上)では意識障害やてんかん発作(けいれん)が生じます
  • 手術後に CSWS と DI の管理がきちんとできないと,「手術が成功しても」死亡することがあります
  • 手術だけうまく行っても術後が危ないのです
  • 水頭症の管理,場合によっては脳梗塞などの手術合併症の管理もたいへんです
術後の合併症は
  1. 簡単な手術ではありません,術後の合併症はさまざまです
  2. 最悪の場合,手術で失明したり,死亡することがあります
  3. 視床下部から下垂体の一部(特に下垂体柄)を傷つけると、おしっこがたくさん出てしまう尿崩症がでたり、またもともとあった尿崩症が悪化します
  4. 尿崩症はデスモプレッシンという液体を鼻の中に毎日入れることで治療できます,最近ではミニリンメルトという経口薬も使えます
  5. 同じ場所の損傷で、下垂体前葉ホルモンの障害が出ます,その程度はいろいろです
  6. 前葉ホルモンには、成長ホルモン,性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質ホルモンなどがありますが、足りない場合は薬を飲んだり定期的に注射して補っていかなければ普通の生活はできません
  7. 身長が伸びなくなる,生理が止まる,元気がなくなる,疲れやすい,意欲がなくなるなど前葉機能障害の症状はさまざまです
  8. 完全な下垂体前葉機能の消失では肥満などが大きな問題になります
  9. 視床下部の大きな損傷では意識障害がでます
  10. 視神経、視神経交差、視索は頭蓋咽頭腫にくっついている場合が多いのですがこれらを損傷すると力の低下や視野の欠損が出て見づらくなります
  11. 下垂体腺腫と比べて,頭蓋咽頭腫の視力障害は回復が悪く,逆に,手術で視力と視野が悪化することは稀ではありません
  12. 意外と知られていないのですが,乳頭体損傷では記憶障害(認知機能障害)や情緒の障害が出ることがあります
  13. 手術方法にもよるのですが,脳弓や脳弓柱の損傷では記憶力の低下が生じます
  14. 手術の手段にもよるのですが、前頭葉の損傷では高次脳機能障害(とくに知能の低下、性格の変化)などが残る可能性があります
  15. 最も危ないのは脳血管を傷つけることで,動脈や大きな静脈の損傷では脳梗塞ができてしまうことがあります
  16. 特に小児の場合は,内頚動脈などの大きな動脈に乖離(動脈の壁が裂ける)が生じることがあります
  17. 小さな動脈でも穿通枝と呼ばれるものの損傷は可能性が高いです
  18. この損傷では手足の麻痺が残ることもあります
  19. 脳の損傷があると術後に症候性てんかんというけいれん発作が起こることがあります
  20. 他には感染症(特に前頭洞を開けた場合)や術後出血,髄液漏など一般的な手術で見られる合併症もありえます
放射線治療は
  • どうしても摘出できなかった小さな残存腫瘍あるいは小さな再発腫瘍に用います
  • 放射線治療の細かい成績ははっきりしませんが、ある程度有効であることは確かです
  • 頭蓋咽頭腫は脳に深く浸潤する腫瘍ではないので,腫瘍以外の脳には放射線がかからないような照射(定位照射あるいは原体照射)が必要です,しかし技術的には難しいです
  • 一般的には,原体照射 conformal radiationという3次元治療計画を行って,腫瘍の周囲の正常な脳に放射線がなるべく当たらないような工夫をします
  • 放射線治療の技術も施設によって大きな差があります
  • 分割照射という方法で何回かに分けて照射するのが普通です
  • 最近では陽子線治療も使えるようになりました,しかし従来の放射線治療より治療成績が優れているという証拠はまだありません
  • 陽子線では真の定位照射はできませんから理論的には定位照射に劣ります
  • 術後に残った腫瘍や再発腫瘍で,場所によってガンマナイフ,ノバリス,サイバーナイフなどが使えるものもあります
  • でも、ガンマナイフは腫瘍が視神経などにくっついている場合には使えません
  • 小児の大きな腫瘍に放射線治療をすると知能の発達が遅れます(精神発達遅滞,認知機能障害
  • 下垂体に放射線がかかると下垂体前葉ホルモンの障害が出ます
  • 視床下部の後方にある乳頭体の被爆では記憶力の低下認知機能障害や情緒の障害が出ることがあります
  • 小児では内頚動脈系が被爆すると,頚動脈が狭窄を生じて若い時に脳梗塞を生じることがあります
  • ウィリス動脈輪閉塞と言いますが,成人では5%程度,小児では20-30%の高率に発生すると考えられます
  • 放射線治療をしても再発することは珍しくありません
  • 放射線治療後の増悪(再発)は照射後数年から10年もの後に生じます
  • ですから,放射線治療をして5年たっても安心してはいけません
  • 再発すれば,治療がさらにむずかしくなり追い詰められます
  • 手術と放射線治療を組み合わせるにしても,最初から計画されたレベルの高い治療を受けることが後遺症を少なく生き残るためのコツです
  • 放射線治療後の頭蓋咽頭腫の悪性化は,5人の患者さん(4人は子ども)を知っていますが,この頻度は低いものでしょう
  • はっきりした科学的な根拠はありませんが,頭蓋咽頭腫は放射線治療によって悪性化する可能性のある腫瘍です

クラニオパークという頭蓋咽頭腫の患者さんの会があります

先生に聞いておきたいとても大切なこと

  • あわてないで,鞍隔膜(あんかくまく)の上 supradiaphragmic region にあるかかどうかを聞いてください
  • 頭蓋咽頭腫が,鞍隔膜の下にあるか上にあるかで全く違う結果になります
  • 鞍隔膜の下ならば,鼻からの簡単な手術で済むし,下垂体ホルモンの障害だけです
  • 鞍隔膜の上の頭蓋咽頭腫では,一歩間違うと大半の子どもが自立できません

治療選択する時に,守るべきものの順番

  1. (一番大切)
  2. 片側の視床下部機能(両側を失うと,命,認知機能,下垂体機能もあぶないです)
  3. 認知機能(自分で生活できません,放射線治療で失うことも多いです)
  4. 視力(見えないと学習が困難です,でも認知機能があれば点字でも勉強できます)
  5. 下垂体機能(薬で何とか補充できます,でもつらいです)

たとえば,こんな大きな間違いがあります,下垂体機能を守るための治療方針で腫瘍を残し10年後に命を失うこと,下垂体機能を守るという治療方針で手術放射線治療を繰り返して認知機能を失うこと,下垂体機能を守るという方針で手術放射線治療を繰り返して全盲になることです

内視鏡手術への誤解

  • 内視鏡手術の方が低侵襲,手術が軽くすむという誤解があります,大きな誤解です
  • 顕微鏡手術の方が,内視鏡手術より精密な手術ができます
  • 視床下部や下垂体の機能を残そうとすれば,顕微鏡手術を併用したほうがいいいです
  • 脳外科医も誤解しているかもしれませんから,患者さんは気をつけてください
  • 内視鏡の利点は顕微鏡で見えないところが見えることです,でも見えても,下垂体や下垂体柄や視床下部との細かい剥離はできません
  • 視床下部や下垂体の機能を残そうとすれば顕微鏡手術のほうがはるかに優れているのです
なぜ?
松果体の奇形腫は内視鏡だけで完全摘出すればかなりの確率で死亡例が出るでしょう,聴神経腫瘍を内視鏡で手術すれば聴力を残すことはできません,微細な剥離手術は顕微鏡でしかできないのが現実です

ちょっと小さな頭蓋咽頭腫です

ちょっと小さな頭蓋咽頭腫ちょっと小さな頭蓋咽頭腫

トルコ鞍の中から発生する頭蓋咽頭腫は,身長の伸びが悪い(低身長)とかおしっこの量が多くて水をたくさん飲む(尿崩症)とかで発症します。それから視力の障害。たいていの場合は小さい腫瘍が多くて,鼻孔からの経蝶形骨洞手術で摘出できます。のう胞の部分(右のMRIの真っ白な部分)をつぶすだけの手術だと再発しますから,腫瘍を全部取る手術を目指します。そうしないと何度も手術を繰り返すか,放射線治療をすることになってしまいます。目標は下垂体の機能を少しでも残すことですが,下垂体正常組織との剥離が難しいことも多いです。幼児で副鼻腔の発達がなくても,ドリルで蝶形骨を削ればこの手術は可能です。でもそれができる外科医は少ないかも。この例は黄色肉芽腫との鑑別が難しいものでした。

ちょっと大きな頭蓋咽頭腫です

ちょっと大きな頭蓋咽頭腫ちょっと大きな頭蓋咽頭腫

嚢胞(液体が入っている袋)の部分と,腫瘍細胞が固まっている実質部分が入り交じっています。このくらいの大きさになってしまうと,下垂体機能を残すことはとても難しくなります。視神経が圧迫されて視力低下と視野障害を生じます。第3脳室が腫瘍で閉塞していて水頭症になっていますから知能の活動が低下します。

太い脳動脈太い脳動脈

腫瘍を摘出するのに危ないのは,脳の血管の損傷です。左では白く,右では黒く線状に移っているのが太い脳動脈です。これら以外にもたくさんの細い重要な動脈が絡んでいます。

腫瘍は摘出腫瘍は摘出

幸いこの患者さんの腫瘍は摘出できて患者さんは元気になりました。でもこのくらいのサイズになると手術がいつもうまくいくとは限りませんし重大な障害が残ることもあります。

もし再発したら

  • 残念ながら頭蓋咽頭腫の再発・再燃はとても頻度が高いです
  • とくに,小児の頭蓋咽頭腫は取り残せば必ず腫瘍は大きくなりますので,また手術になります
  • ですから,腫瘍を取り残した場合は経過観察で様子を見ることはできません
  • 全摘出できたと考えていても数年後に腫瘍が現れることもあります
  • 全部取れたと言われても,最初からこの覚悟をしておいたほうが受け入れやすいです
  • またじっくり担当の先生からお話を聞いてよくよく考えます
  • こどもの場合には,放射線治療といわれても安易に決断しないことです,もう一度手術すればとれることもありますから
  • 放射線治療を受けた子どもは辛い結果になることが多いからです
  • 再手術はさらに難しくなります,でもできるかもしれません
  • 手術リスクが高すぎる時には放射線治療を選びます
  • 制がん剤は効きませんので薬物治療はできません

小児の頭蓋咽頭腫を手術で全摘するかどうか?

  • 良く聞かれるので私の2005年から2009年の手術を振り返ってみました
  • 15歳未満で発症した頭蓋咽頭腫を28例手術していました
  • 初発の子供が16人,再発してから私のところへ来たのが12人でした
  • 手術の前に両親には,なにがなんでも全摘出するとは言っていませんでした
  • でも結果的には,全例で全摘出を試みていました
  • 術後に自分で全摘したと考えていても,この28人の内で5人が再発しました
  • またその再発時にも手術で全摘出していました
  • もっと長く観察するとさらにもう少しは再発の例は増えるだろうと考えています
  • 結果的に,私は自分の過去の経験から小児の頭蓋咽頭腫は全摘しなければならないと考えているようです
  • でも,これが正しい考え方かどうかはわかりません
  • 手術合併症が重いことが多いので積極的な全摘出はしないという方針をとる医師も多いです
  • 最近の欧米の論文では,全摘出が危険なので部分摘出術(debulking surgery)を勧める傾向が強いのです
  • でも,結果的には再燃(再発)して,放射線治療や手術を何度も繰り返すことになるかもしれません
  • もし,部分摘出を選ぶのであれば,その結果が10年後にどのようになるかもよくよく考えてから選択しなければなりません

開頭手術か経蝶形骨洞手術(鼻から)かの議論:ちょっと専門的な記述です

  • どちらがいいのかは,腫瘍の発生した場所で決まります
  • 下垂体から発生した頭蓋咽頭腫は鼻から取れます
  • 鼻の孔(幼児は口唇下)から入って摘出した方が患者さんの負担は少ないのは明らかです
  • しかし,鞍上部というところへ伸びると,くも膜下腔から細い動脈が腫瘍に入ります
  • この動脈の処理を誤ると致命的なくも膜下出血が生じることがありますから,この意味では開頭手術の方が安全性は高いです
  • 第3脳室内,灰白隆起,下垂体柄から発生した頭蓋咽頭腫は開頭手術になります
  • 開頭術の方法を選ぶのはとても複雑な要素が絡みます
  • 基本的には両側前頭開頭(frontbasal/interhemispheric)もしくは前頭側頭開頭 (pterional)で行ないます
  • 両側前頭開頭でも,大脳半球間裂経終板法 (translaminaterminalis)は第3脳室へ伸展しているものに用います
  • 両側前頭開頭でも,大脳半球間裂経脳梁法 (transcallosal)は第3脳室に局在するものに用います
  • 両側前頭開頭でも,両側前頭葉下到達法 (bilateral subfrontal)は鞍上部から鞍内伸展しているものに用います,側方展開に強いのでシルビウス裂に伸展したものにも有利です
  • さらにいろいろ組み合せもあって開頭法の選択を書いていくときりがないのですが,腫瘍の局在と下垂体柄の位置を正確に把握して最も適切な方法を選択することです

9歳児の頭蓋咽頭腫です。視力障害が高度なので鼻の孔(経蝶形骨洞手術)から急いで全摘出しました。腫瘍の塊がトルコ鞍の底にありますが,この部分は開頭手術では多少見づらいです。術後に視力は少し良くなりました。1年後のMRI(右側)では下垂体組織は残っていて,前葉ホルモンは正常ですが軽い尿崩症があります。

成人の第3脳室内部に局在する頭蓋咽頭腫です。経脳梁法で両側のモンロー孔から全摘出しました。下垂体組織は残っています。これは乳頭状頭蓋咽頭腫と呼ばれるもので,成人にしか発生しません,のう胞がなく石灰化もないのが大きな特徴です。境界が明瞭で柔らかく摘出が簡単なタイプとして知られています。この患者さんも術後に下垂体機能不全も視床下部障害も生じませんでした。

頭蓋咽頭腫で視力を守るために(ちょっと専門家向け)

頭蓋咽頭腫では視力障害が戻らないことが多いです

  • 下垂体腺腫と同じような視力視野障害がでます,両耳側半盲といいます
  • 下垂体腺腫は手術で腫瘍をとると視野欠損が治るのですが,頭蓋咽頭腫では治らないことがあります
  • 鞍結節髄膜腫はこの両者の中間に位置します
  • 鞍結節髄膜腫では,開頭手術よりも経蝶形骨洞手術の方が,視力の温存率は明らかに高いことがすでに広く知られています
  • 頭蓋咽頭腫もそうです
  • 高度の視力視野障害を呈する頭蓋咽頭腫は経蝶形骨洞手術(経鼻手術)で摘出するべきです
  • 乳幼児の頭蓋咽頭腫では急速に視力障害が悪化して全盲になることが少なくありません
  • 乳幼児は視力障害を訴えることができないから高度の視力障害でも気づかれないし,視神経が脆弱なので失明に至ります
  • 乳幼児で眼球が揺れるような(pendular nystagmus)視力障害がある場合は,緊急手術で視神経を除圧します(経蝶形骨洞手術)
  • 1歳児でも経蝶形骨洞手術で経鼻的な頭蓋咽頭腫の手術はできます。
  • でも,それができるのは日本に数人いるかどうかです

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8歳で両側の視力低下が生じました。眼科では精神的なものと診断されて,4ヶ月くらいで右視力 0.4(耳側半盲),左指数弁となりました。のう胞性頭蓋咽頭腫で大きな骨化を伴うもので1月くらいの間に全盲になるかもと判断しました(失明寸前です)。
矢印の先に見えるように下垂体は正常の形態です。この画像から灰白隆起の左後方,乳頭体の前方が腫瘍発生母地ということがわかります。尿崩症もなく下垂体機能は正常です。経鼻的な内視鏡手術で腫瘍の大部分を摘出すれば下垂体機能は廃絶します。

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とにかく失明を避けるために急いで経蝶形骨洞手術(transsphenoidal-transtuberculum sellae approach)で腫瘍のう胞の減圧をしました(緑の矢印の経路 by 函館中央病院加藤功先生)。その後に前頭開頭で腫瘍を全摘出しました(右側の画像)。尿崩症はでましたが下垂体前葉機能は正常です。
右視力 0.45,左明暗弁の視力が残りました。でももし,経鼻手術をしないでいきなり開頭すればおそらく全盲になっていた例です。

頭蓋咽頭腫にとってもよく似た病変
トルコ鞍部黄色肉芽腫 xanthogranuloma of the sellar resion
  クリックすると詳しく読めます
  • 頭蓋咽頭腫ととても似ていて,ラトケ嚢胞の一部としてこの病名を認めない医師もいます
  • Paulusらが1999年に提唱したもので,通常の頭蓋咽頭腫と異なる予後を示すとしました
  • 思春期から若年成人に多く,トルコ鞍内に限局性の腫瘍です
  • 頭蓋咽頭腫としては腫瘍サイズが小さく,その割には下垂体機能低下が著しく,病歴が長く,石灰化と視力障害の程度が低く,摘出がしやすいものです
  • 術後再発が少ないという良性の経過をたどるものです
  • 多少取り残しても再燃しません
  • 頭蓋咽頭腫とは区別されなければなりません

10歳の女の子でごく軽度の視野障害で発症しました。左がT1強調画像で高信号,右がT2強調画像で低信号で,典型的なトルコ鞍部黄色肉芽腫です。画像診断で,下垂体腺腫の腫瘍内出血とよく間違われるのですが,コレステリン結晶を豊富に含む肉芽腫です。頭蓋咽頭腫よりも予後が良いものですので,頭蓋咽頭腫とは一緒くたにしてはいけません。ラトケのう胞と異なり,腫瘍実質内に上皮細胞も見られます。

摘出しやすい成人の乳頭状頭蓋咽頭腫 papillary craniopharyngioma
  クリックすると読めます

重症の肥満に対する薬物治療

Kim DD, et al.: Efficacy and safety of beloranib for weight loss in obese adults: a randomized controlled trial. Diabetes Obes Metab 17, 2015
2015年9月にEuropean Commissionが,頭蓋咽頭腫による制御不能なひどい肥満に対して,beloranibという薬剤を承認しましたが日本では使えません。頭蓋咽頭腫の手術や定位放射線治療によって生じる肥満はHypothalamic Injury-Associated Obesity (HIAO)といいます。beloranibはもともと抗がん剤として開発されました。人は血糖値が下がると脂肪を燃焼してエネルギーに替えます,その時にお腹が減りますが,beloranibはその空腹感を抑制するという作用をもっています。また肝臓での脂肪合成と体脂肪の蓄積を抑制します。有害事象は不眠や消化器症状ですが,重篤なものがあるとの情報もあります。

放射線治療後の再発

Klimo P Jr, et al.: Recurrent craniopharyngioma after conformal radiation in children and the burden of treatment. J Neurosurg Pediatr 15:499-505, 2015
頭蓋咽頭腫にはconformal radiation 原体照射という放射線治療がなされます。原体照射を受けた97人の子供のうち18人(19%)に腫瘍再燃(再発)が生じました。照射後再発の中央値は4.6年後 (range 3.6-13.8)です。この内で,11人がさらに2度目の再燃(再発)を生じました。再発を繰り返すと,再発までの期間が短くなってきます。著者は結論で,放射線治療後の再発治療はものすごく難しいと述べています。放射線治療を行ってさらに再発すればまともに生き残るすべがないということです。再発時においても手術で全摘出するべきである,のう胞性増大でのう胞を潰すだけの手術は成功しないとの助言です。

小児の頭蓋咽頭腫の治療のトレンド

Cohen M, et al.: Trends in treatment and outcomes of pediatric craniopharyngioma, 1975–2011 Neuro-Oncol 15: 767-774, 2013
トロント子ども病院からの報告です。2011年から2013年まで33人(年2.8人)平均年齢10.7歳が治療されました。初回手術で,18人 (55%)はのう胞の除圧のみがなされました。同じ施設でその10年前には,積極的摘出術がめざされていて,2%のみがのう胞除圧を受けていました。術後の尿崩症は55%,汎下垂体機能低下症は58%でした。過去の例ではそれぞれ88%と86%でしたから,有意に障害が少なかったとの結果でした。高度の肥満となる患児も36%減少したとのことです。結論として,全摘出をめざすという考え方を捨てることで,生存の質が向上して内分泌の予後が改善されたとのことです。
「感想」ちょっと乱暴な結論です。残った腫瘍が増大して,更に治療を繰り返して,20年後につらい最終的な結末になることが全く記載されていません。もちろん,最初の手術でのう胞を小さくするだけなら手術後遺症(合併症)などほとんど生じないでしょう。Neuro-Oncologyという権威ある雑誌に掲載されたにしては質の低い論文だと言わざるを得ません。またこの論文が小児科の先生たちの間で一人歩きすることを危惧します。

積極的な摘出が視床下部障害を招く

De Vile CJ, et al: Management of childhood craniopharyngioma: can the morbidity of radical surgery be predicted? J Neurosurg 85:73–81, 1996
Muller HL, et al: Functional capacity, obesity and hypothalamic involvement: cross-sectional study on 212 patients with childhood craniopharyngioma. Klin Padiatr 215:310–314, 2003
De Vile CJらとMuller HLらが別個に報告したものですが,発症時に体重増加が著しかった子供では,手術後の視床下部障害が重いものになったということです。 これは視床下部性肥満があったことを示していて,頭蓋咽頭腫が視床下部に浸潤して視床下部障害を生じていたものと捉えられます。ですから,このような頭蓋咽頭腫を完全摘出すると両側の視床下部損傷を生じる恐れがあります。

ブレオマイシン(制がん剤)の嚢胞内注入

古くから知られている治療法で,ICC intracystic chemotherapyの一種です。頭皮の下にオンマヤリザーバーという袋を入れて,そこからチューブを腫瘍のう胞まで導きます。リザーバーからブレオマイシンかインターフェロンという薬を入れて,頭蓋咽頭腫の増大を抑えようとするものです。
Hukin et al.: Intracystic bleomycin therapy for craniopharyngioma in children: the Canadian experience. Caner 109: 2124-31, 2007
カナダの小児病院からの報告で,17人の子どもが初発時に,5人の子どもが再発時にプレオマイシンの投与を受けました。5例でCR(腫瘍が消失すること),6例でPR(部分的に小さくなること),5例でMR(ほんの少し小さくなる)という効果が得られました。1例では2.8年間腫瘍が大きくならなかったとのことです。観察期間中央値4年の解析では,9例では効果が持続しないで他の治療が必要でしたが,8例ではこの治療で腫瘍はコントロールされました。全体では,1.8年間腫瘍増大を抑えられました。副作用は,腫瘍周囲の一時的な脳浮腫が2例,思春期早発が1例,汎下垂体機能低下症が2例です。著者はブレオマイシンで,数年間は積極的摘出術や放射線治療を送らせることができると結論しています。

頭蓋咽頭腫 craniopharyngiomaの病理所見はここをクリック

クラニオの骨化 ossification (ここをクリックすると詳しく見れます)

手術の時に気をつけなければならない所見です。石灰化は何とかくずせるのですが,骨化は崩せません。ですから一塊にして引きずり出さないと摘出できないです。とても大きなリスクを伴います。

頭蓋底手術の利用:経錐体骨法 transpetrosal approach

Al-Mefty O, et al.: The petrosal approach for the total removal of giant retrochiasmatic craniopharyngiomas in children. J Neurosurg 106: 87-92, 2007
頭蓋底手術に興味を持っている脳外科医が頭蓋咽頭腫の手術をするようになりました。この論文に書かれているのは,S状静脈洞を露出するように錐体骨を削除して,後頭窩の硬膜から錐体静脈の内側,滑車神経の外側でテントを切開して,側頭葉を挙上して,中頭蓋窩方向から鞍上部を観察する方法です。
「警告」解らない手術があるとすぐに真似をしてみようとするのが,脳外科医の悪い性癖と言えます。この方法は,側頭葉をかなり圧迫して挙上し無ければならず,錐体静脈や側頭葉深部静脈に対する侵襲が高く,視野と手術操作野は必ずしも広くはありません。前交通動脈の後面からでる穿通枝や後交通動脈から内側方面に出る細い腫瘍動脈を剥がすには視野が足りません。また側頭葉底部の牽引が強くなり側頭葉挫滅がしばしば生じるので,左側からの手術では大きな障害が出ます。
後頭窩に大きく進展したごくごく一部の巨大な頭蓋咽頭腫に適応はあるかもしれませんが,通常の頭蓋咽頭腫に行われるべき手術方法ではありません。絶対に見えないのは,手術側の視索の内側と視床下部の内面です。この位置では頭蓋咽頭腫を直視下に剥離できないので無理矢理引きづり出すことになります。

すべての頭蓋咽頭腫は経鼻的な内視鏡手術で摘出できる?

Koutourousiou M, et al.: Endoscopic endonasal surgery for craniopharyngiomas: surgical outcome in 64 patients. J Neurosurg 119: 1194-1207, 2013
Pittzburgからの報告です。17人の小児を含む64人の患者さんに経鼻的内視鏡手術がなされました。24例(37.5%)で全摘出 gross-total resection,22例(34.2%)でほぼ全摘出 near-total resection,14例で80%subtotal,4例が部分摘出でした。9例で術後放射線治療がされています。36例で視機能が改善し,2例で悪化しました。特筆すべきことは,視機能障害があった44人の患者さんのうちで,38人(86%)が改善したということで,悪化した患者さんは一人もいませんでした。約3年間の経過観察で,22例(34%)に再発が生じました。結論として,年齢,腫瘍の大きさ,位置に関わらず,純粋な第3脳室腫瘍を覗けば,全ての頭蓋咽頭腫は内視鏡手術で治療できるとしています。
「解説」 鞍隔膜下だけのものも含めればこのくらいの成績は得られるのでしょう。下垂体機能が正常な鞍内には腫瘍がない頭蓋咽頭腫も含めてのザッパの話はいただけませんし,結論は極端だと言えます。しかし,やはり注目すべきは,経鼻手術での視機能の温存率が高いという事実です。また1/3くらいに再燃が生じたというのはとても正直な報告です。

鞍上部から第3脳室にある頭蓋咽頭腫の内視鏡手術

Kenning TJ, et al.: Endoscopic endonasal craniopharyngioma resection. J Neurosurg 32: Suppl:E5, 2012
Dr. Kenningの手術がYouTubeで公開されています。https://www.youtube.com/watch?v=i3-qieLlbVk&feature=youtu.be
ビデオはすばらしい手術をみせてくれています。planum sphenoidaleを開けていくので,当然,手術操作野はとても狭いです。 私もこの手術はしようと思えばできます,でも内視鏡手術の宿命として,内頚動脈や前交通動脈からの細い分枝からもし万一動脈出血が生ずれば,術野の側方でそれを止めることはできません。止められなければ重症くも膜下出血です。また,モンロー孔の位置まで腫瘍のう胞壁を剥離にいっているのですが,この様に視床下部からツルんと剥がれてくれる頭蓋咽頭腫ばかりではありません。この手術を真似すれば,ある程度の確率で事故は生じましょうし,また同様なサイズを全摘出できるとは思わない方がいいでしょう。

大きな頭蓋咽頭腫の手術

Gerganov V, et al.: Microsurgical resection of extensive craniopharyngiomas using a frontolateral approach: operative technique and outcome. J Neurosurg 120:559-570, 2014
4cm以上の大きな頭蓋咽頭腫に対しての前頭側頭開頭術の手技を記載した外科論文です。16人中の14人の患者さんで全摘出が成功したというので,かなり積極的な手術と言えます。手技としては目新しいものは無く,従前の両側前頭葉下と蝶形骨縁法の組み合わせというものです。15人の患者さんでホルモン分泌の低下が生じ,1人の患者さんで両耳側半盲の悪化があったけれども,他の神経学的な目立つ合併症がなかったというすばらしい成績です。ヨーロッパでは,このような大きな頭蓋咽頭腫をかなり積極的に摘出に行くのだなという感想をいだきます。

文献

  • Cohen M, et al.: Trends in treatment and outcomes of pediatric craniopharyngioma, 1975–2011 Neuro-Oncol 15: 767-774, 2013
  • De Vile CJ, et al: Management of childhood craniopharyngioma: can the morbidity of radical surgery be predicted? J Neurosurg 85:73–81, 1996
  • Gerganov V, et al.: Microsurgical resection of extensive craniopharyngiomas using a frontolateral approach: operative technique and outcome. J Neurosurg 120:559-570, 2014
  • Honegger J, Tatagiba M: Craniopharyngioma surgery. Pituitary 11: 361-373, 2008
  • Hukin et al.: Intracystic bleomycin therapy for craniopharyngioma in children: the Canadian experience. Caner 109: 2124-31, 2007
  • Klimo P Jr, et al.: Recurrent craniopharyngioma after conformal radiation in children and the burden of treatment. J Neurosurg Pediatr 15:499-505, 2015
  • Mortini P, et al.: Surgical strategies and modern therapeutic options in the treatment of craniopharyngiomas. Crit Rev Oncol Hematol 88: 514-529, 2013
  • Muller HL, et al: Functional capacity, obesity and hypothalamic involvement: cross-sectional study on 212 patients with childhood craniopharyngioma. Klin Padiatr 215:310–314, 2003
  • Zacharia BE, et al.: Incidence, treatment and survival of patients with craniopharyngioma in the surveillance, epidemiology and end results program. Neuro Oncol 1070-1078, 2012
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