第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 -The 15th Annual Conference of Japan Primary Care Association
						会期:2024年6月7日(金)~9日(日)
						会場:アクトシティ浜松
						テーマ:誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 -The 15th Annual Conference of Japan Primary Care Association
						会期:2024年6月7日(金)~9日(日)
						会場:アクトシティ浜松
						テーマ:誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて

プログラム

日程表

WONCA講演

2024年6月8日(土)13:10~13:40
第1会場(アクトシティ浜松 大ホール)

変化し続ける時代におけるケアの継続性

  • 患者と医師との個人的関係の継続性は、家庭医療における活性物質である。 混乱の時代において、家庭医療の特徴である継続性の原則は危機に瀕している。本講演では、家庭医療という学問分野の価値基盤について説明し、最近のトレンドが、臨床および教育・研究において、家庭医療の基本原則の運用にどのような課題をもたらすか議論する。 医療の断片化、商業化、医療サービス提供のデジタル化といったトレンドに対応するために、家庭医はどのような戦略を立てればよいのだろうか。

Dr. Anna Stavdal(アンナ・スタヴダル)
(WONCA直前会長)
  • 略 歴

    アンナ・スタヴダル医師は、ノルウェーのオスロを拠点とし1989年以来、患者に思いやりのある医療を提供する家庭医として高く評価されている。臨床に加え、オスロ大学准教授として、将来の医療専門職の教育・研修にも積極的に貢献している。医療システムと家庭医療のコアとなる価値観に関心を持ち、家庭医療とプライマリ・ケアの熱意あるアドボケートである。文章や講演を通じて専門知識を広め、公的な議論に積極的に参加している。1994年以来、スタヴダル医師は家庭医療の組織においてリーダー的役割を担い、様々なレベルで家庭医療の発展に尽力してきた。ノルウェー、北欧、ヨーロッパ、そして世界の家庭医療組織で影響力のある役職に就いている。特に、2021年11月には世界家庭医療学会(WONCA)会長に就任した。2023年11月から直前会長としての役職に就いている。この世界的な組織のトップとしての彼女の役割は、世界中で家庭医療を推進するイニシアチブを形成し、指導する能力を強調するものである。

    1994年以来、スタヴダル医師は家庭医療の組織においてリーダー的役割を担い、様々なレベルで家庭医療の発展に尽力してきた。ノルウェー、北欧、ヨーロッパ、そして世界の家庭医療組織で影響力のある役職に就いている。特に、2021年11月には世界家庭医療学会(WONCA)会長に就任した。2023年11月から直前会長としての役職に就いている。この世界的な組織のトップとしての彼女の役割は、世界中で家庭医療を推進するイニシアチブを形成し、指導する能力を強調するものである。

WONCAシンポジウム

2024年6月8日(土)14:00~15:30
第1会場(アクトシティ浜松 大ホール)

アジア太平洋地域の家庭医療推進に向けて ~世界とアジアのリーダーが語る未来ビジョン

座 長 井上 真智子(浜松医科大学地域家庭医療学講座)
廣岡 伸隆(埼玉医科大学地域医療学)
  • 企画意図

     本学会は、1985年から世界家庭医機構(WONCA)に加盟し会員団体となり、世界7つの地域のうちアジア太平洋地域(APR)に属して活動している。2005年と2019年には京都でWONCA APR大会が本学会主催のもと開催された。 アジア太平洋地域では、プライマリ・ヘルス・ケアにおける家庭医療の重要性は認知されつつあるが、各国で専門医制度や医療システムにおける立ち位置が異なり、抱えている課題も多様である。
     WONCA APRでは、2023年に理事改選が行われ、台湾のDr. Brian Changが会長(President)に、フィリピンのDr. Aileen Riel-Espinaが総務担当理事(Honorary Secretary)に、そして本学会の草場鉄周理事長が財務担当理事(Honorary Treasurer)に選出された。
     そこで、本シンポジウムでは、これからのアジア太平洋地域における家庭医療推進について、Brian Chang会長とAileen Riel-Espina理事を招聘し、この3役でディスカッションを行う。まずそれぞれの国における家庭医療の歴史、現状の課題、未来の方向性についてプレゼンテーションを行い、今後、WONCA APRとしてどのようなビジョンで家庭医療推進に取り組んでいくか意見交換を行う。
     また、WONCAの前会長であるDr. Anna Stavdal(ノルウェー)にも世界的な規模で活動を率いた経験から、またご自身の出身である北欧での活動経験を交えて、アジア太平洋地域の家庭医療に対するコメントをいただき、4者でグローバルな観点で長期的視野にたった議論を行う。これらの議論を通し、参加者とともにアジア太平洋地域の課題と未来ビジョンについて考えたい。

Dr. Brian Chang
Dr. Brian Chang
(WONCA APR President)
Dr. Aileen Riel-Espina
Dr. Aileen Riel-Espina
(WONCA APR Hon. Secretary)
草場 鉄周
(日本プライマリ・ケア連合学会理事長/WONCA APR Hon. Treasurer)
コメンテーター:
Dr. Anna Stavdal
(WONCA Immediate Past President)

実行委員会特別企画

2024年6月9日(日)12:40~14:10
第2会場(アクトシティ浜松 中ホール)

医療過疎地でのプライマリケア 講演&ミニコンサート「田舎で楽しく医者をやる方法」

座 長 吉田 英人(訪問診療クリニックやまがた)
長谷島 さや (公益財団法人 伊豆保健医療センター 総合診療科)
  • 企画意図

    第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会実行委員会が活動を始めた当初から、静岡県が誇る仲田和正先生にお話をいただきたいという話がでておりました。 また音楽の街浜松を象徴する催しを検討する中で静岡県出身、東京音楽大学で講師をされているピアニスト仲田みずほ様にご演奏いただきたいという話もでました。 その構想を一つのセッションに統合することができました。
    仲田和正先生は、あらためてご紹介する必要がないかもしれませんが、著書「手・足・腰診療スキルアップ(シービーアール)」に代表される整形外科(学)を私たちにわかりやすく ご教示されてこられた整形外科医という一面と、「へき地でこそ、最先端!」というキャッチフレーズで象徴される、地域医療の持続可能性とそのために必要な「教育」を常に考え、 アウトプットにも怠らない総合診療医、地域(へき地)での病院経営のトップランナーを走ってこられたという面があると思っています。 いま時代は、先生が30年あまり取り組まれてきた西伊豆健育会病院が地域医療のモデルとなり、コミュニティホスピタルの原点ではないでしょうか。
    仲田みずほ様は、西伊豆で育ち、スイスへ留学の後、現在日本国内中心に演奏活動や大学で講師をされているピアニストです。 みずほ様の演奏をおりませながら、地域での子育て、地域で働く医療関係者のあり方、そして地域医療の持続可能性含めたその魅力を 単に親子共演という言葉ですまされない素晴らしいハーモニーが満喫できるのではないかと思っております。
    音楽イベントのページもご確認ください。

演 者 仲田 和正(西伊豆健育会病院 整形外科)
仲田 みずほ(東京音楽大学)
実行委員特別企画 広報用スライド

特別企画

2024年6月9日(日)12:40~13:20
第1会場(アクトシティ浜松 大ホール)

三学会理事長鼎談

座 長 前野 哲博(日本プライマリ・ケア連合学会 副理事長)
  • 企画意図

     2018年にスタートした総合診療専門医制度は、導入後5年が経った現在、専攻医数は少しずつ増加してはいるものの、まだまだ十分とは言えないのが現状である。その大きな原因として、他の18領域はそれぞれ該当する学会が運営しているのに対して、総合診療専門医のみ、専門医機構が直接運営しており、制度の継続性や学術的基盤に対する信頼性が十分ではないことや、専門医取得後のキャリアパスが明確とは言えない点が挙げられている。
     この問題に関する関係学会の動きとしては、総合診療専門医取得後のサブスペシャルティ領域の専門医制度として、日本プライマリ・ケア連合学会が2020年度から新・家庭医療専門医制度をスタートさせたのを皮切りに、2021年度には日本病院総合診療医学会が病院総合診療専門医制度を、2022年度には日本地域医療学会が地域総合診療専門医制度をそれぞれ導入している。これらの3学会は、日本専門医機構内に設けられた総合診療専門医制度の運営機関である総合診療専門医制度検討委員会の活動にも全面的に協力しているが、今後も引き続き連携を強め、総合診療領域のキャリアパスの充実に取り組むことが求められている。
     これまで、日本プライマリ・ケア連合学会と日本病院総合診療医学会は、2021年6月に「総合診療専門医取得後のキャリアに関する2学会合同声明」を発表するなど連携を深めてきた。本シンポジウムでは、この両学会に、2021年に発足した日本地域医療学会を加えた3学会の理事長が一堂に会して、それぞれの学会が運営する専門医制度の概要および最新情報について共有するとともに、総合診療専門医制度への関わり方や将来のキャリアパスに関する展望、今後の学会間の協調の在り方について論じる。

演 者 草場 鉄周(日本プライマリ・ケア連合学会 理事長)
田妻 進(日本病院総合診療医学会 理事長)
小野 剛(日本地域医療学会 理事長)
大会長企画 広報用スライド
2024年6月9日(日)13:30~14:10
第1会場(アクトシティ浜松 大ホール)

プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)
~地球まるごと健康を目指す これからのプライマリ・ケア~

座 長 寺本 敬一(ふくちやま協立診療所)
  • 企画意図

     2023年は観測史上最高に暑い年となりました。日本でも熱中症患者が増加し、豪雨災害が頻発しています。気候変動は『21世紀最大の健康への脅威』といわれています。近年、世界医師会やWONCA(世界家庭医機構)、その他多くの国際医学会が気候変動対策の重要性を発表しています。当学会もこのような状況を深く受け止め、学会を挙げて気候変動対策に取り組むべく、本学術大会の場で「プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)」を表明することと致しました。プライマリ・ケアは、地域に密接に関わりながら人々の健康や日常生活を支える役割を担っています。気候変動対策においても、地域の住民や行政と連携しながら、より広い視野で取り組むことができます。気候危機はまさに“Think Globally,Act Localy”を実践する課題です。当学会が、日本の医療系学会の中で先駆けて、気候非常事態宣言を表明することは大変意義深いことです。
     このプログラムでは、本学会理事長および大会長が宣言表明をするとともに、その意義と展望について概説します。さらに、この宣言を支持する外部支援者や宣言後のアクションを牽引する本学会プラネタリーヘルスワーキングのメンバーらからのメッセージを紹介します。
     たくさんの方と本学会の新たな一歩を踏み出せるよう、皆さまのご参加をお待ちしております。
    [概略版] プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)
    その他、プラネタリーヘルスチームの企画はこちら

演 者 草場 鉄周(北海道家庭医療学センター 理事長,日本プライマリ・ケア連合学会 理事長)
井上 真智子(浜松医科大学 地域家庭医療学講座 特任教授)
豊田 喜弘(福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座)
大会長企画 広報用スライド