第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 -The 15th Annual Conference of Japan Primary Care Association
						会期:2024年6月7日(金)~9日(日)
						会場:アクトシティ浜松
						テーマ:誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 -The 15th Annual Conference of Japan Primary Care Association
						会期:2024年6月7日(金)~9日(日)
						会場:アクトシティ浜松
						テーマ:誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて

プラネタリーヘルス

環境への取り組み

本大会では「環境の持続可能性」にも配慮した企画・大会運営の工夫を凝らしています。
具体的には、地球環境と人々の健康を共に守る「プラネタリーヘルス」という概念に基づいて、次のことに取り組んでいます。
① 気候非常事態宣言(浜松宣言)の表明
② 教育講演
③ 大会運営
④ アートスペース展示
⑤ オンデマンドセッション
このページでは、私たちが環境の持続可能性に取り組む背景や、それぞれの企画についてご紹介いたします。

私たちが環境の持続可能性に取り組む背景

WHOが『気候変動は、人類が直面する単一では、21世紀最大の健康への脅威』と報告して15年が経ち、2023年は人類が過去体験したことない気温上昇となりました。そして、健康の社会的決定要因としても気候変動はとらえられるようになりました。

世界では、政策的な面も含めた気候変動に強いヘルスケアシステム構築と低炭素な医療の実施が主流になってきています。WONCAも2021年に気候非常事態宣言を行い、2023年には、年間700万人ともいわれる化石燃料由来の死亡者を減らすため、化石燃料からの脱却の必要性を主張しています。そして、NEJMやBMJ、Lancetなどの医学誌も、気候変動の問題を大きく取り扱っています。なかでもLancetはLancet countdownとして気候変動と健康の問題のみを取り扱うセクションを設立して警鐘を鳴らし続けています。そのLancetは、2020年に「Carbon-neutral medical conferences should be the norm」として、地球沸騰化時代の学術集会のあり方を提案しています。
本学会では、2022年にプラネタリーヘルス・ワーキンググループを結成し、学術大会やセミナーなどを通じて、みなさまに気候変動をはじめとした環境課題の知識普及を行ってきました。
そして、今大会のテーマ「誰一人取り残さない持続可能なプライマリ・ヘルス・ケアに向けて」の実現に向けて、大会実行委員会にプラネタリーヘルスチームを結成し、次のような5つの企画に取り組みました。

プラネタリーヘルスチームの取り組み

① 気候非常事態宣言(浜松宣言)の表明

今大会を機に日本プライマリ・ケア連合学会が医療からの気候変動対策に取り組むため「プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)」を表明します。学会内でのパブリックコメントや理事会での討議を経ながら、実行性の伴う宣言を準備しています。

[概略版]プライマリ・ケアにおける気候非常事態宣言(通称:浜松宣言)
【↑ 画像をクリックするとpdfファイルでご覧いただけます】

この宣言は、大会3日目 6月9日(日)
13:30~14:10に大ホールにて表明致します。

② 教育講演

「プラネタリーヘルスに国境はない ~中村哲先生の意志を引き継いで~」

記録上「世界で一番の猛暑だった」と報告された2023年の夏、地球環境について意識した方が多かったことでしょう。気候変動に起因する異常気象は、頻繁かつ深刻になっており、多くの国が猛暑、前例のない嵐、洪水、山火事、避難などによる健康への影響対策に取り組んでいます。その気候変動対策をテーマにした講演です。

本講演は2部形式です。
第1部では、プラネタリーヘルスチームから、地球環境と人々の健康を共に守る「プラネタリーヘルス」総論の講演。
第2部では、パキスタン・アフガニスタンを支援し、人々の健康と生活のために自然環境に向き合い、干ばつの大地を恵豊かな緑野に替え65万人の命を支えてきた、故・中村哲先生。この活動の支援団体「ペシャワール会」理事、PMS支援室室長の藤田千代子氏室長より、これまでの活動についてお話しいただきます。

プラネタリーヘルスに理解を深め、医療の中での気候変動対策について触れていただければと思います。世界はつながっています、グローバルに考えつつ、自分たちそれぞれの地域での活動につなげていただけたら幸いです。

③ 大会運営

マイボトルの持参・ウォーターサーバーの設置

温室効果ガス削減につながる、マイボトルの持参を大会参加者の皆様にお勧めしております。
マイボトルを持参された方は、学会会場3箇所で無料でウォーターサーバーから給水ができます!

ウォーターサーバー設置場所
・コングレスセンター 4階ロビー
・展示会場
・研修交流センター 5階ロビー
地球にも体にも優しい食事の提供

植物性食品を中心とした食事は健康に良い上に、温室効果ガスを減らすことで地球にも優しい食事といえます。今回の学会では事前販売の弁当(OMGキッチン)や当日のキッチンカー、懇親会でベジタリアン・ビーガンの食事を提供しています。今回の学会をきっかけにトライしてみてはいかがでしょうか?
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 
OMGキッチンさんから画像提供
※こちらの写真は一番人気のベジライスですが、学会提供のお弁当は、一部内容を変えてヴィーガン対応にしています。

④ アートスペース展示

「浜松宣言」を中心に、プラネタリーヘルスや気候変動対策について学べる展示を予定しています。気候変動と健康・医療との関係性をイメージしてもらえるようなスペースにしたいと考えています。プラネタリーヘルスメンバーも滞在してインタラクティブな仕掛けも予定しています。学会参加記念の撮影スポットとして、是非お越しください。

⑤ オンデマンドセッション

「人類史上最も暑かった2023年の夏。2024年の夏を前に今こそ考えたい、すべての命を気候危機から守るために私たちができること」
今年もまたあの猛暑がもうすぐやってきます。そう、昨年のあの暑すぎた夏が再びやってくるのです。昨年の猛暑では屋外の活動が制限され、熱中症の対策があちこちで呼びかけられましたがそれでも熱中症で亡くなるという、痛ましい出来事も多く聞かれ、我々医療者も心を痛めました。
私たち医療者はただ心を痛めるだけでなく、また熱中症を始めとした疾患に対処するだけでなく、猛暑の原因を理解し、温暖化し続ける地球環境への医療者としての対処も求められています。これこそがまさにプラネタリーヘルスの視点です。
私たちのチームはJPCA2024オンデマンドセッションにおいて、世界における気候危機の現状を動画で分かりやすく伝え、現場で働く医師から実症例の紹介と対応について提示し、実際に温暖化対策を行っている診療所や薬局を取材し、願望ではなくリアルな対策を紹介します。最後に学生や医師のメンバー同士のディスカッションで、この問題に取り組む動機や実際に取り組み感じたことや本音を紹介します。皆さんの医療者としての対策にアイディアと勇気を提供するセッションです。是非ご覧ください。
本セッションでも活用してる気候変動問題に関する動画を紹介します(Climate Live Japan製作及び提供)。まずは、こちらから興味を持っていただけたら幸いです。

※オンデマンドセッションの視聴方法については、今後大会事務局からのご案内をお待ちください

プラネタリーヘルスワーキンググループについて

この環境の持続性への取り組みは、本学会のプラネタリーヘルス・ワーキンググループが中心となって企画しています。
プラネタリーヘルス・ワーキンググループは、気候変動をはじめとする環境問題を考慮した健康・医療のあり方を考えるグループ です。
私たちと一緒にプラネタリーヘルスについて学ぶ機会は、以下のものがあります。
1)実践誌「プライマリ・ケア」2023年春号(27号)~冬号(29号)の連載記事 『気候変動×プライマリ・ケア』(学会ホームページにも掲載中!)
2)当学会の全国学術大会やセミナーでの講演やワークショップ
3)Slackコミュニティでの情報交換やオンラインミーティング  など

もし私たちプラネタリーヘルスワーキンググループに興味をもっていただけましたら、下記のメールアドレスまでご一報をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

プラネタリーヘルスワーキンググループ みどりのドクターズ
greenpracticejp@gmail.com
医療者が取り組む気候変動対策活動の紹介とお誘い

プラネタリーヘルスワーキンググループ みどりのドクターズ