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メッセージ:谷川 道洋

谷川 道洋 Michihiro Tanikawa

谷川 道洋
  • 出身地
    東京都
略歴
2003年~2004年 東京大学医学部卒業
東京大学医学部附属病院産婦人科研修医
2004年 公立昭和病院 産婦人科研修医
2005年~2008年 国立がん研究センター中央病院婦人科レジデント・がん専門修練医
2007年 産婦人科専門医取得
2009年~2012年 東京大学大学院 
2012年 公立昭和病院 産婦人科医長
日本婦人科腫瘍学会専門医取得
2013年 東大産婦人科 助教
2013年10月 スウェーデン王国カロリンスカ研究所留学

これから研修を受ける方へのメッセージ

6月のストックホルムは、透き通るような青空のなか北国らしい可憐な花々が一斉に咲きほころび、束の間の天国のように過ごしやすい夏が訪れます。私は昨年、平成25年の10月より、スウェーデン王国のカロリンスカ研究所のThomas Helleday教授のもとに留学し、DNA損傷修復に関する基礎的な研究に従事しています。平成15年に東京大学を卒業し、もう12年目に入ったのかと思うと歳月が流れる速さに驚くと同時に、まだ初々しい気持ちが残る自分に少し恥ずかしさも感じます。

私はスーパーローテ開始直前の最後のストレート学年として東京大学産科婦人科学教室に入局しました。東京大学医学部附属病院にて初期研修を1年半行い、多摩北部の中核病院である公立昭和病院にて後期研修を行って一般産婦人科をある程度習得した後に、築地にある国立がん研究センター中央病院で婦人科のレジデント、がん専門修練医として4年間を過ごしました。産婦人科医としての6年目に日本産科婦人科学会専門医を取得した後、7年目に教室の腫瘍グループの大学院生として基礎研究を開始しました。大学院期間中である10年目にサブスペシャリティーを培う上での一つの目標であった日本婦人科腫瘍学会専門医を取得し、昨年3月に医学博士号を授与していただきました。研修制度の切り替わりの時期であったため、大学病院での初期研修2年目は病棟の研修医が自分しかいない時期があったり、国立がんセンターでは一人レジデントとして全患者の受け持ちだったりと精神的にも肉体的にも厳しい時期もありましたが、その分本当に多くの経験と教えをいただけたと思います。東京大学医学部附属病院や国立がん研究センターでの多様な症例経験を通して身につけさせて頂いた一例毎に深く考察する習慣や難治症例にも粘り強く診療を行う姿勢、公立昭和病院において地域と連携しながら求められている幅広い産婦人科医療を行う柔軟性を学べた事は、産婦人科医としての一生の宝です。

さて最後になりましたが、12年目に入った私が今感じていることを、後進の先生や入局を考えている先生にメッセージとして残したいと思います。私は、東京大学産科婦人科学教室で培うことを求められている産婦人科医としての資質は2階建ての家のようなものだと感じています。1階部分は患者さんや社会に求められている正しく誠実に産婦人科医療を遂行する能力、そして2階部分は研究を通して得られる自分なりに産婦人科医療発展に貢献する夢であり希望なのだと考えています。当教室では後期研修が終わるころに各自研究テーマが与えられ、臨床医として臨床研究で達成することや、大学院生として基礎研究で端緒を見つける事が求められます。研究の糸口は様々で実際の研究がテーマから少し離れてくることはありますが、研究テーマの背後にあるメッセージやその実現のため全力で教育しサポートしてくれる教室の先輩方が、自分をこのストックホルムの地での研究生活に、脱テーラーメードの癌分子標的治療の開発という夢に導いてくれたのだと感じています。このことに深く感謝し、私も微力ながら今後日本に戻って赴任する施設で、教室や後進の先生の一助になりたいと考えています。

東大病院の見学を随時募集しています。
研修希望者向けに、病院の施設や研究室、使用する機材などをご覧いただくことができます。研修に関する質問や相談などにも、個別に対応いたします。
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