甲賀 かをり Kaori Koga
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- 出身地
- 東京都
- 略歴
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1996年 千葉大学医学部卒業 東大産婦人科研修医 1997年、1998年 三井記念病院 国立霞ヶ浦病院 産婦人科研修医 1999年~2002年 大学院 2000年 産婦人科専門医取得 2003年 武蔵野赤十字病院産婦人科医員 2004年 東大産婦人科 助手(その後助教) 2006年~2008年 豪州プリンスヘンリー研究所、米国イエール大学留学 2008年 帰国、留学生や大学院生の指導を開始 2011年 生殖医療専門医、婦人科内視鏡技術認定医取得 2013年 東大産婦人科 講師 病棟医長 2014年 日本内分泌学会 専門医・指導医取得 2014年 東大産婦人科 准教授
これから研修を受ける方へのメッセージ
甲賀かをりと申します。私の経歴は別記の通りです。大学院、留学、認定医、指導医、と偉そうな経歴に見えるかもしれませんが、私が医師になった当初思い描いていたキャリアプランは、これとはだいぶ違うものでした。つまり当時は研究や認定医などには全く興味がなく、どこか中くらいの規模の病院で、できればあまり責任を負わされない立場で、毎日目の前の患者さんのことだけを考えて働くお医者さんになれればなあ、というのが漠然とした理想像でした。そして今でも東大産婦人科の門を叩かなければ、そのようなお医者さんになっていたと思います(それはそれでhappyだったと思いますが)。
東大産婦人科に入って良かったと思うことは、キャリアの岐路で、常に色々な選択肢があったということです。勿論ここにいても、敢えて研究や認定医などに振り向かず毎日患者さんのことだけを考えるお医者さんになる道を選ぶことも出来たと思います。けれども私の場合はちょっとかじってみてもいいかと始めた研究の面白さにのめり込んでしまったり、教授にたまたま与えられたテーマである子宮内膜症の専門外来を作ってみたら、患者さんに頼りにされてやりがいを感じるようになったりしているうちに、気付いたら学位を取り、留学する機会にも恵まれ、専門医・認定医を取得し、教育に携わるような立場になり、楽しくやりがいのある毎日を送っている、というのが正直な経歴です。けれどもこれも偏に、医局内に基礎研究の施設が整い、研究に人を裂ける豊富な人材があり、専門外来のシステムが確立し、患者さんを紹介してくださる連携病院が多いなど、当科ならではの条件のお蔭であると思います。
そして何と言っても東大産婦人科の魅力はそれを構成している人間です。130年も歴史がありますからそれは広い人脈があり、どこに行っても知っている先生に声をかけられます。そして色々な立場の先輩が様々な見地から、時にはアドバイスをし、時には自分の背中を見せることで、私を導いてくれました。15人いる同期は今でも悩みを聞き励まし合う仲間です。そして何より私が変わったのは、優秀な後輩を持ったということです。医師になった当初は、自分が何を学んだか、自分が何件手術をしたか、と自分のキャリアばかりを考えがちです。が、優秀な後輩が後から後から仲間に加わり、彼らに自分が少しでも何かを教えると、それを何倍も上手くやってくれ、新しい構想を膨らましてくれ、結果として自分も刺激を受け向上できる、という経験を重ね、自分が教わり学ぶだけでなく、人に何かを教えることの楽しさ・大切さも感じるようになりました。この気持ちは自分が歳を取るほど強くなり、今では私が仕事をする上での大きな原動力になっています。
これを読んでいる学生・初期研修医の皆さんは、まだ10年後20年後のキャリアパスなどわからないと思います。ただ、私たちの仲間に加わってくれれば、どんな岐路に立たされても、あなたが輝ける道を一緒に見つけてあげられる自信があります。私が20年前に勇気を出して東大産婦人科の門を叩いたのと同様に、今度は皆さんが私たちの門を叩いてくれたらなと願っています。
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