グレード 悪性度とは WHO 2016

グレード WHO 2016 grade

グレード1

ゆっくり大きくなるもしくは大きくならないこともある腫瘍です。外科手術で摘出すると治ってしまうものです。良性の髄膜腫,下垂体腺腫,神経鞘腫,小脳の毛様細胞性星細胞腫などがこれにあたります。

グレード2

組織学的には良性に見えて,何年もかかってゆっくり大きくなります。でも,脳組織の中にしみ込むように発育する性質を持ちます。完全摘出ができないことが多いために手術後に再発してしまうこともあります。5年以上は生存できるであろうという予想がたつ腫瘍です。まれに悪性化してグレード3とか4に変わります。異型性髄膜腫 atypical meningioma,びまん性星細胞腫,乏突起膠腫などです。でも,結局は再発再燃を繰り返して腫瘍死することがありますから,グレード2の脳腫瘍の多くはすでにガンと考えなければなりません。

グレード3

組織学的に悪性腫瘍の性質を示します。核異型や分裂像や旺盛な増殖能を示すものです。手術で取り切れることはほとんどありませんから,患者さんは摘出手術後あるいは生検術後に放射線や化学療法を受ける必要があります。平均的に治療後3年くらいは生存できるとされるものです。退形成性星細胞腫や退形成性乏突起膠腫がこの代表です。でもグレード3では確率は高くはなくても10年以上の長期生存が期待できます。

グレード4

とても悪性度の高い組織像をもつものです。組織の中に壊死がみられてMIB-1などで示される増殖能力が極めて高くて,早く大きくなります。脳の中にも広範囲に腫瘍細胞が広がります(浸潤や髄液播種)。多くの患者さんが1年以内に死亡します。膠芽腫がグレード4の代表ですが,生存期間の中央値は1年半以内と考えなければなりません。でも一方で,髄芽腫はグレード4なのですが5年生存は70%くらいが期待できますし,完全に治ってしまう患児も多いです。松果体芽腫は治療が難しくて長期生存率はとても低いです。グレード4というのは治療の有効性が期待できるものとできないものでは,予後が全く違います。

文献

Louis DN, et al.: The 2016 World Health Organization Classification of Tumors of the Central Nervous System: a summary. Acta Neuropathologica 131: 803-820, 2016

下の表は2016年の新しいグレードです,クリックすると拡大できます。

WHO2016grade

 

Copyright (C) 2006-2017 澤村 豊 All Rights Reserved.