訪問看護師応援サイト

糖尿病ケア

認知能力・身体機能低下時の支援

Q:内服管理が困難な独居利用者
独居の方で内服管理が難しい場合、皆さんどのように管理をされているでしょうか。

A1:主治医に薬を一包化してもらうことに関連したこととして、薬を処方している医師が主治医ではない場合、本人の生活状況(独居である、同居家族の協力が得られないなど)をよく把握されていないこともあります。そういう場合は、その医師の診察の際に医師や担当看護師に状況を説明して、薬の整理(薬の数を減らせないか、服薬回数を少なくすることはできないかなど)が出来ないか相談してみるということも一つの方法かと思います。
糖尿病で認知症がある方の服薬管理については、飲み忘れ以外に、飲んだことを忘れてもう一度飲んでしまうことや、食事摂取量不足に関係なく服用してしまったことによる低血糖への注意も必要です。救急受診した低血糖患者の調査で、高齢者が多く、また他の年齢層に比べ、インスリンよりも経口血糖降下薬を服用している割合が多かったという報告があります。原因は腎機能定価・肝機能低下がある患者に対する不適切な治療や過剰投与以外に、本人の間違いによる過剰服用例や食事摂取量不足がありました。一包化の際は、関わる方が、血糖降下剤がどれであるかすぐに見分けられることも必要かと思われます。

A2:糖尿病で認知症があり、独居の方の内服管理は、糖尿病の合併症を予防し安定した在宅生活を送っていただく上で重要な課題でもあります。その1つの解決策として、訪問看護師は薬のカレンダーを作成し、次回の訪問看護日までの数日分の薬を朝、昼、夜と日付を記入してセットします。きちんと内服がされておられるのかどうか、サービス提供チームが訪問時にチェックします。誰が見てもわかるようにすることが、まず第一ではないでしょうか。そのためには、ケアサービス担当者会議の開催を介護支援専門員に呼びかけます。対象に関わっている全てのスタッフが、内服薬管理の重要性を理解し、訪問時の具体的な協力内容を確認する必要があります。訪問時間は、出来るだけ午前中に計画していただきます。連絡ノートを作成し、訪問時に服用状況を確認・記載しチームで情報を共有化します。時々大事な薬が床に落ちていたり、ゴミ箱に捨てられていたりする場合もありますが、思わぬ合併症の発症につながる危険性もあります。チームが協働で服薬管理と関わることが求められているのではないでしょうか。
なお薬の一日分の服用回数は主治医と相談し、出来るだけ一包化できないか検討していただくことも時には必要です。訪問看護師が抱え込まず、多職種との連携プレイで知恵を出し合い、独居高齢者の在宅生活をサポートすることが大切ではないでしょうか。

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