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口腔ケア

口腔の状態

Q:口腔乾燥がひどい高齢者の口腔ケアについてよい方法があれば教えてください。

A:乾燥してこびりついた痰や血餅の除去にはゴマ油に浸したガーゼで口腔清拭を行なうととりやすいそうです。臨床で実際に脳卒中高齢者で実践をしているナースからの情報です。ゴマ油は局方でも、食用でもかまいません。

Q:口腔の状態のアセスメントに利用できるよいアセスメントシートがありましたら、ご紹介下さい。

A:広島の口腔ケア研究会の迫田先生の作成された「迫田式口腔アセスメントシート」にRevisedAssessmentGuideを組み入れたアセスメントシートをアップします。是非使用して、感想を聞かせてください。

口腔ケアの方法

Q:90歳代の方の口腔ケアとして食後のうがい後にリステリンでうがいを行なっていました。同じような口腔ケアの方法を行なっている方は他にいらっしゃいますか?

A:在宅で口腔ケアを行うのに、洗口剤って本当に簡単で便利ですよね。でも知人の歯科衛生士さんに伺ったことがあるのですが、特にリステリンはエタノールを多く含むので、唾液が豊かでない高齢者には口腔乾燥を助長するので、あまりお勧めでないという話でした(相当カライですよね)。歯科衛生士さんとしておすすめの洗口剤としては、お手軽に市販ですと、「GUM」で、お取り寄せ品だと「バイオティーンのマウスウォッシュ」だそうです。ちなみに当たり前なのですが、プラスで歯ブラシはするべきと歯科衛生士さんはおっしゃいますよね。看護師としては、どうしても拒否が強い場合は咳嗽だけでもしてくれれば、という感覚になるかと思うのですが。90歳代とのことでしたので、歯が何本あってどんな状況かということが分かればとも思いました。

Reply:確かにエタノールは口腔を乾燥させますよね。その方はご自分の歯が20本あり、食事も普通にされています。そのため、唾液の分泌があり、特に問題が起こっていないのかもしれません。お口の中を拝見させていただいたのですが、口腔乾燥はなく、けっこう潤っていらっしゃいました。

口腔内乾燥のケア

Q:口腔乾燥が強く、乾燥した粘膜が口腔内に付着している利用者さんがいます。口腔粘膜を傷つけないように上手に除去する方法についてアドバイスがあったら教えてください。また、保湿に関して在宅でも使えるような物品がありましたら教えてください。

A:乾燥がすすんでいる口腔内には、必ず濡らしてからはじめます。一番良いのは、保湿剤をつかうことです。私は、東京技研から出ているビバジェルエットが好きで使っています。指やスポンジブラシで塗布していきます。まず、口唇と歯の間が乾燥して張り付いていますのでここから塗布していきます。頬粘膜がはがれますので口が開けやすくなります。次に上顎、舌の上を中心に塗布していきます。さらに、一度スポンジブラシを洗って水気を絞り塗布したものの回収に入ります。奥から前にスポンジを動かしこまめにゆすぎながら、清掃していきます。舌の上は、乾燥の状態にもよりますが、柔らかめの歯ブラシも使います。歯ブラシは、ライオンのエラック510SかESを使っています。これは粘膜用の歯ブラシですので、舌や上あごをみがきますが、もちろん歯や歯茎もみがけます。乾燥して過敏になっている歯茎の境目にはもってこいの歯ブラシです。かなり大きめですが扱いやすく操作しやすいです。乾燥や汚れを回収してふきあげてから、もう一度薄く保湿剤を塗布して終了します。こまめにスポンジや歯ブラシをゆすぐことが大切です。

Reply:エラック510、さっそく使用してみました。利用者様にも好評でした。残存歯が少ない高齢者には、歯も歯茎もさらに舌まで磨ける歯ブラシはとても優れものですね。

開口困難者へのケア

Q:認知症のある利用者様ですが、口腔ケアをしようとしてもなかなかお口をあけてくれません。一度噛まれてしまったこともあり、現在はとりあえず開口しなくてもできる範囲だけ清拭しています。何かコツをご存知の方は是非教えてください。

A:噛まれるケースはいくつかあるようですね。脱感作という方法があります。この方にとって口腔ケアはあまり良い刺激と認知されておりませんので、まずは口に触られることに慣れていただくこと、嫌なことをされるわけではないということを認知してもらうことから始めます。最初は簡単なことから(開口してもらないのでしたら最初から大きな介入をするのではなく徐々に嫌がられない範囲を増やす)、それになれたらKポイントを指などで刺激する(ネットで調べると載っています)、頬の内側を伝ってKポイントまで水に浸した指や綿棒、スプーンをすべらせる、物理的に閉口を阻止する(バイトブロックは避け、指ガードなどで行ないます)。吸引も怠らないようにします。また、一度嫌がることをする人だと認知されるとなかなか次に受け入れてもらうのに大変です。この場合嫌がられている人を変えてケアを行い、介入が可能になったら受け入れてもらえている方法をきちんと共有することが重要です。ゆっくりゆっくり、最初は唇や内頬に少し触れる程度から反応を観察しながら開始していただくと良いと思います。そのうちどこまで介入できそうか予測がついてきます。

Reply:私もご家族様も口腔ケアをしなくてはという意識が先に立って、利用者様の気持ちへの配慮がおろそかになっていたのだなと反省させられました。バイトブロックは、いけなかったのですね。よく考えたら、意識のない方ならともかく、あのようなものを口に突っ込まれた確かに不快かもしれません。もう1回最初から、まずはお口に触るところから、ゆっくりやっていこうと思います。

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