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2026.09.16

東園 和哉先生 海外留学近況報告(2)

ボストンの8月の強い日差しも、9月に入ると少しずつ和らぎ、木々も秋の色合いを見せ始めました。

私が留学しているハーバード大学医学部 Brigham and Women's Hospital・荻野研究室では、分子病理疫学(Molecular Pathological Epidemiology: MPE)という分野の研究を行っています。ここでは、米国の10数万人の健康な成人を40年以上にわたって追跡してきた大規模コホートの疫学情報と、大腸癌組織から得られる分子病理学的情報を組み合わせ、生活習慣や環境因子がどのような大腸癌の発生に関わるのかを研究しています。

例えば、通常の疫学研究では「ある食品の摂取が大腸癌の発生に関与する」という結果が得られるのに対し、MPEではさらに踏み込み、「その食品の摂取が、特定の腸内細菌を多く含むタイプの大腸癌の発生に関与する」といった、より詳細な知見を得ることができます。このコホート研究と腫瘍組織の解析を統合する研究手法は、PCIBM(Prospective Cohort Incident Tumor Biobank Method)と名付けられました。こうした研究を通じて、大腸癌が発生する仕組みをより深く理解し、将来的な大腸癌の予防や、一人ひとりの特徴に応じた医療につながることが期待されています。

この夏には、東京大学医学部のプログラムで学生さんたちも研究室を訪れました。海外の研究環境に触れる学生さんたちの姿を見ながら、私自身も改めて、この環境で研究できることの貴重さを感じています。研究室やMPEについてご興味がありましたら、荻野周史先生のブログhttps://www.ogino-mpe.org/もぜひご覧ください。

ハーバード医学部
東大から学生さん見学