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ロングフルライフ訴訟

日本初のロングフルライフ訴訟

                                  (室月 淳 2014年4月18日)

羊水検査の結果をあやまって伝えてしまった結果,ダウン症候群の子が生まれ,その子がTAMのために生後3ヶ月でなくなったという事例がありました.ちょうど1年ほど前に新聞などで報道されましたので,ご存じのかたもおおいと思います.報道をうけてのわたし自身の意見もそのときに書かせていただきました.

現在,損害賠償請求の民事訴訟がすすんでいます.当初は,医師の過失により中絶の自己決定の機会を奪われた両親の精神的損害にたいする賠償請求という話でした.すなわち「ロングフルバース訴訟」と考えられていました.しかし最近あきらかになった原告側の訴状から,この裁判は日本初の「ロングフルライフ訴訟」となることがあきらかになりました.すなわち医師の過失から子は避けられたはずの障害と苦痛にみちた人生を過ごし,そして亡くなった.その慰謝料を亡くなった子の代理として両親が提起したとのことです.

ここには実はむずかしい問題があります.医師に過失があったことはまちがいありませんが,その過失が出生した子の障害を直接ひきおこしているわけではありません.医師の過失がなければ、原告の子がおかれたであろう非出生かつ非存在のほうが,医師の過失によりもたらされた障害ある出生かつ存在(生命)よりもより望ましいかというと,これは意見のわかれるところだろうと思います.

わたしはロングフルライフ訴訟における論法をみとめるべきではないと考えます.出生前診断を業とするわれわれは、今後この裁判を注視していきたいと思います.

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カウンタ 9002 (2014年4月18日より)