日本赤十字看護学会

学会出版物・報告

平成28年熊本地震被災地における健康・生活状況の把握と支援活動報告(第1報)

日本赤十字看護学会災害看護活動委員会
委員長:浦田喜久子
委員:小原真理子 前田久美子

【はじめに】

平成28年4月14日21時26分、熊本県熊本地方の深さ約10㎞でM6.5の地震が発生し、さらに4月16日1時25分に同地方の深さ約10㎞でM7.3の地震が発生した。これらの地震により熊本県内で最大震度7を2回観測し、家屋の倒壊、ライフラインや交通の寸断など甚大な被害を及ばした。発災直後から4月17日までに、熊本県内855カ所に約18万3千人が避難された。

発災1カ月後、日本赤十字看護学会災害看護活動委員会メンバーは、下記のねらいの元に、熊本地震被災地における健康・生活状況の把握と支援活動を企画し現地に入った。

活動にあたり、ご協力いただいた被災地の皆さま、支援者の皆さまに感謝いたします。被災地の皆さまの一日も早い復建・復興をお祈り申し上げます。

【ねらい】

熊本地震発災1カ月後における被災地の災害対策本部、病院、避難所等を訪問し、被災者の健康やくらしの視点から看護ニーズ等を把握し、日本赤十字看護学会のホームページ等を通して、学会会員等に実態を伝える。

【活動目標】

  • 被災地の日本赤十字社熊本県支部災害対策本部、熊本県看護協会、熊本赤十字病院、その他の福祉施設等を訪問し、組織的な災害対応、被災者への生活支援、健康問題のニーズと対応、看護ニーズと対応等について情報収集する。特に看護支援を必要としている避難所等の情報を得る。
  • 避難所を訪問し、被災者の健康とくらしの視点から看護ニーズの把握とそこで展開されている支援活動の実態を把握する。
  • 活動を通して得た情報を熊本県看護協会などと共有し、中長期支援も視野に入れて、今後の支援活動に繋げる一資料とする。
  • 活動を通して災害看護活動委員会の経験知を蓄積し、活動報告により学会会員等に情報を発信する。

【参加メンバー】

本委員会メンバー3名、協力者(記録・運転手)2名

【訪問地域と訪問先】

  • 熊本市内:日本赤十字社熊本県支部、熊本県看護協会、熊本赤十字病院看護部
  • 益城町:益城町保健福祉センター避難所、特別養護老人ホーム ひろやす荘
  • 南阿蘇村:(株)南阿蘇ケアサービス、白水中学校避難所
  • 長陽町:南阿蘇中学校避難所
  • 西原村:河原中学校避難所
  • 大津町:大津町総合体育館避難所

【交通手段・日程と経路】

  • 羽田から航空機で約2時間。熊本空港に集合し、レンタカー(7人乗り4WD)で移動
  • 平成28年5月12日(木)~5月16日(月)
    5月12日(木)
    15時出発:熊本空港~日本赤十字社熊本県支部訪問~熊本県看護協会訪問~益城町保健福祉センター避難所訪問~熊本市内宿泊

    5月13日(金)
    熊本市内~南阿蘇村~白水中学校避難所訪問~社会福祉協議会災害ボランティアセンター~(株)南阿蘇ケアサービス訪問~熊本市内~熊本赤十字病院看護部訪問~熊本市内宿泊

    5月14日(土)
    熊本市内~益城町~特別養護老人ホーム ひろやす荘、CANNUS訪問~益城町役場、PCAT訪問~益城町保健福祉センター訪問~合志市恵楓園(西原村知人にヒアリング)~大津町総合体育館避難所~熊本市内宿泊

    5月15日(日)
    熊本市内~被災地弁護士にヒアリング~長陽町~南阿蘇中学校避難所訪問~西原村~河原中学校避難所訪問~熊本市内~山鹿市内宿泊

    5月16日(月)
    山鹿市内~熊本市内~熊本県看護協会訪問~帰省

上空から見た被災地

上空から見た被災地

益城町町内

益城町町内

西原村村内

西原村村内

西原村村内

※各訪問先の報告は、順次いたします。