歴史研究委員会とは
-武井 麻子 委員長-
1. 第26回日本赤十字看護学会学術集会における交流セッションの開催
テーマ: 被災した赤十字看護師の体験―被災者が救援者になるとき
2016年4月、日本赤十字発祥の地である熊本は、震度7の巨大地震に相次いで襲われた。基幹災害拠点病院である熊本赤十字病院も建物被害や断水、停電などの被害を蒙った。自宅が被災した職員も多かったが、家族や知人の安否を気遣いつつ被災地域から続々と運び込まれる外傷患者への救急対応にあたる一方、周辺地域からの医療救援チームの出動要請にも応えなくてはならなかった。そうした窮状に他県の支部から救護班が派遣されて来た。いつもなら救援する側の赤十字病院が救援される側になったのである。
災害が多発する現在、赤十字といえどもこうした事態はいつでも起こりうる。被災者であり、救援者でもあるということはどういう体験なのかを知ることは、PTSD予防のためにも、個人と組織のレベルで対策を考えて行くためにも重要であろう。
今回は、熊本赤十字病院の村田美和看護部長と、クリティカルケアCNSの井野朋美係長のお二人に当時どのような体験をされたのかお話しいただき、参加者と意見交換したい。