日本赤十字看護学会

学会出版物・報告

第1回 災害看護セミナー

「もっとよく知ろう!DMATと赤十字救護班」報告

災害看護活動委員会は活動のスタートとして、災害看護セミナー(第1回)を2008年12月6日(土)、日本赤十字看護大学広尾ホールにおいて開催しました。「災害看護の発展のために“もっとよく知ろう!DMATと赤十字救護班”」をテーマに、基調講演とシンポジウムを行い、多くの方々にご参加いただきました。

基調講演 : 新道幸恵氏

基調講演は、新道幸恵氏(本学会理事長・日本赤十字広島看護大学学長)による「災害看護の動向と課題」でした。阪神淡路大震災を契機に、日本災害看護学会の設立や災害看護学の知識体系化、災害看護支援ネットワークが構築されてきたことなど、昨今の災害看護の動向が示されました。

災害看護が平成21年度からは看護基礎教育の必修科目となることは、一つの成果として捉えられています。また、災害看護学の発展に向けては、講師自身の大震災での経験や実践・研究・教育の視点から災害看護の課題は多いことが示唆されました。

シンポジウムは、「災害急性期においてDMATと赤十字救護班はいかに協働できるか-医師および看護師の立場から経験知と提言-」と題し、大友康裕氏(東京医科歯科大学大学院 救急災害医学教授)、勝見敦氏(武蔵野赤十字病院救命救急センター 副部長)、佐藤和彦氏(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 看護師長)、板垣知佳子氏(日本赤十字社医療センター 看護師長)をシンポジストに迎えました。立場の違う各シンポジストの口演やフロアからの質問や発言で、DMATと赤十字救護班の組織や役割の違いが明確になりました。さらに被災傷病者への医療・看護の取り組みがより良くなるための協働のあり方について、今後取り組むべき多くの課題をいただきました。

シンポジスト
板垣知佳子氏 佐藤和彦氏

シンポジスト
勝見敦氏 大友康裕氏

最後に、セミナーの開催・運営にあたりご協力・ご支援をいただいた皆様に心から感謝いたします。

害看護活動委員会 委員長 前田久美子