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受賞:優秀論文賞(第77回日本公衆衛生学会)

共同研究者の辻大士さん(千葉大学)が第77回日本公衆衛生学会で優秀論文賞受賞を受賞しました。

受賞した論文はこちらです。

辻大士, 高木大資, 近藤尚己, 近藤克則. 基本チェックリストと健診データを用いた縦断研究に基づく要支援・要介護リスク評価尺度の開発. 日本公衆衛生雑誌 64(5): 246-257, 2017.
https://doi.org/10.11236/jph.64.5_246

紹介:書籍 『これからの在宅医療-指針と実務』 

書籍これからの在宅医療-指針と実務に一部執筆しました。

amazonのリンクはこちらです。
これからの在宅医療-指針と実務 単行本 – 2016/7/15
大島 伸一 (監修), 鳥羽 研二 (編集), 和田 忠志 (編集), 太田 秀樹 (編集), 大島 浩子 (編集), 三浦 久幸 (編集)

論文紹介:第2回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会

第2回 産業構造審議会 2050経済社会構造部会の資料3 健康寿命の延伸に向けた予防・健康インセンティブの強化について(PDF形式:3,189KB)で、日本老年学的評価研究(JAGES)の論文が紹介されました。

資料で紹介されたのは、サロンに頻繁に参加していた人は、そうでない人よりも要介認定を受けるリスクが低いことを明らかにした論文です。論文のリンクはこちらです。

Hikichi, H., Kondo, N., Kondo, K., Aida, J., Takeda, T., & Kawachi, I. (2015). Effect of a community intervention programme promoting social interactions on functional disability prevention for older adults: propensity score matching and instrumental variable analyses, JAGES Taketoyo study. J Epidemiol Community Health, jech-2014.

講演:「思わず栄養がええようになるまちのつくり方 ~環境デザイン×行動科学のススメ~」

2018年10月27日、北海道医学会の市民公開シンポジウムで「思わず栄養がええようになるまちのつくり方 ~環境デザイン×行動科学のススメ~」について講演をしました。

お知らせ:NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」

日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを人工知能で分析した結果が紹介されます。

2018年10月13日(土)午後9時~9時55分(55分間)
総合テレビ NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」
第3回 健康寿命
https://www.nhk.or.jp/special/askai/index.html

報告:サロン活動による二酸化炭素排出削減効果

日本老年学的評価研究(JAGES)参加自治体(A市)のサロン実施施設(2施設)において参加者28名にアンケートを行ったところ、サロン活動によるウォームシェア効果(二酸化炭素排出削減効果)があることがわかりました。

JAGESウェブサイトに詳しい結果を掲載しました

1年間サロンに参加すると、電気代が約1,000円お得!?
サロン活動による「ウォームシェア効果」が明らかになりました
https://www.jages.net/index.php?active_action=multidatabase_view_main_detail&content_id=309&multidatabase_id=1&block_id=65#_65

メディア掲載:”「行動経済学」はヘルスケアの突破口になるか’’

行動経済学をヘルスケアに応用した事例について日経デジタルヘルスでコメントをしました

“脱ヘルスケア”の時代へ
「行動経済学」はヘルスケアの突破口になるか
人の“性”へ訴える手法を活用した事例に見るhttps://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/070500167/100400002/?ST=health

論文出版:機能性食品を買うのは、自分をカッコよく見せたいから? リトアニアでの共同研究

ビタミン強化食品など、いわゆる機能性食品は世界中で普及しています。しかしなぜ人々は機能性食品を買うのでしょうか?健康のためと思って買うのでしょうか?おそらく実際は「機能性食品を買う自分がカッコイイ」「つい買ってしまう」「友達が買っているから」といった様々な理由が考えられるのではないでしょうか。

日本と同様、機能性食品の市場が拡大しているリトアニアに住む900人へのインターネット調査により、顕示的消費傾向(カッコよく見せるために買う傾向が強い)人や、社会や周囲の考え方や規範の影響を受けやすい人は、機能性食品を高く評価していました。一方で自制心のある人は機能性食品を低く評価していました。

実際、機能性食品業界でのマーケティングや健康増進において、政策立案者やマーケティング担当者は、顕示的消費など消費者の社会的な動機にも働きかけているようです。過剰に機能性食品を買ってしまったり、適切に摂取するように促すためにも、消費者の行動の背景にある心理を解明することは役立つと思われます。

この研究はリトアニアのJustina Gineikiene氏の研究チームとの共同執筆論文です。国際学術誌 Appetite に掲載されました。

書誌情報:Barauskaite, D., Gineikiene, J., Auruskeviciene, V., Fennis, B. M., Yamaguchi, M., & Kondo, N. (2018). Eating healthy to impress: How conspicuous consumption, perceived self-control motivation, and descriptive normative influence determine functional food choices. Appetite.
https://doi.org/10.1016/j.appet.2018.08.015

論文出版: 中高生の価値観と幸福感との関連:国際比較(韓国・日本・中国)研究

価値観は幸福感と考関係すると考えられますが、価値観は政治的な思惑等々により、国によって異なります。

今回、韓国の研究チームと共同で、その国際比較を行いました。韓国、日本、中国の中高生それぞれ約2000人を対象とした国際的研究である、思春期価値観調査(2008年)のデータを分析しました。

価値観に関する36問の質問を5つの価値観に分類したところ、両親の学歴や世帯構成、信仰などとは独立して、どの国でも、博愛・善行(benevolence)と利他主義(altruism)が幸福度と関連しました。一方、家父長制的な規範(patriarchy)は中国の学生では幸福度が高いことと関連しましたが、日本の学生ではその逆の結果でした。韓国では成功を追い求めること(success pursuit)と幸福度が低いことが関連していました。

いずれの国においても、博愛や利他性が幸福度と関連したことは特筆すべき結果です。

研究はソウル大学校のチュワン・オー教授のチームとの共同執筆論文です。国際学術誌 Journal of Youth Studiesに掲載されました。

書誌情報: Heo, J., Lin, S. F., Kondo, N., Hwang, J., Lee, J. K., & Oh, J. (2018). Values and happiness among Asian adolescents: a cross-national study. Journal of Youth Studies, 1-16.
https://doi.org/10.1080/13676261.2018.1513640