本教室の大学院生の下田 哲広(しもだ あきひろ)さんの論文が国際雑誌 International Journal of Environmental Health Research に掲載されました。
環境負荷の軽減は、人々の健康にも密接に関わる重要な課題であり、環境負荷の軽減と人々の健康増進をともに達成するような方策が求められています。
私たちは、埼玉県川口市にある一般病院の職員(20-60代)584名にアンケート調査を行い、回答が得られた297名について、健康意識とエコ行動(「リサイクル(紙、ガラス、プラスチック、金属)」と「グリーン購入(環境負荷の低い商品を購入すること)」の2つ)の関係を分析しました。
その結果、健康意識が高い人の方がリサイクルをしやすい傾向が明らかになり、健康意識の高い人はエコ行動をとりやすい可能性が示されました。一方、健康意識とグリーン購入との間には統計学的な関連は見られませんでした。
調査を実施した病院では院内のリサイクルに力を入れており、リサイクルをしやすい環境整備がされていたことから、エコ行動を促すためには職場の環境整備が必要であることが明らかになりました。
持続的開発目標(SDGs)の達成には、分野ごとの縦割りの対策ではなく、健康と環境といったように分野同士の連携した取り組みが求められます。本研究の結果がその一助となれば幸いです。
Shimoda, A., Hayashi, H., Sussman, D., Nansai, K., Fukuba, I., Kawachi, I., & Kondo, N. (2019). Our health, our planet: a cross-sectional analysis on the association between health consciousness and pro-environmental behavior among health professionals. International journal of environmental health research.
https://doi.org/10.1080/09603123.2019.1572871
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