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第2回が掲載されました(リンククロスシル)

前回、孤独と健康に関する内容を紹介した「リンククロスシル」で、今回新たに第2回の記事が掲載されました。

第2回はねたみ、そねみとも言われる嫉妬心に関する記事です。
嫉妬心はどのようなときに生まれ、どのように健康に影響するのか、また、その対処法について紹介します。

2019年8月27日 第2回 ねたみ、そねみ…人と比べすぎると不健康に?
https://home.linkx.life/articles/7320

本研究室のウェブサイトが「コミュニティナース」に関する記事に引用されました

大樹生命保険株式会社HPの「健康コラム」というコーナーがあります。
このたび、コニュニティナースに関する記事に本研究室のウェブサイトが引用されました

コミュニティナースとは、病院の看護師や訪問看護師とは違い、地域の中で「病気にならないようにする」ための予防医療を広めることや、退院後の日常生活のサポート等を行う、地域の健康を担う存在として注目されています。 地域住民への社会的サポートの重要性やその役割についての解説に関連して、本研究室のウェブサイトの解説内容が引用されました。

2019年7月1日  vol.61 コミュニティナース
https://www.taiju-life.co.jp/joyful/health/061/index.htm

記事掲載:健康な暮らし方についての連載を始めました

最新の健康情報など、ライフスタイルをとりまくさまざまな情報を提供する「リンククロスシル」というウェブサイトで、本年7月から、健康な暮らし方や健康にまつわる研究結果を紹介する連載を始めました

第1回は孤独と健康に関する記事です。
孤独と健康にどのような関係があるのか、また、最近の「孤独を治療する」事を目指す、最近注目されている「社会的処方」について紹介します。

2019年7月17日 第1回 “つながり”がくすりに?注目される“社会的処方”とは
https://home.linkx.life/articles/7100

お知らせ:「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会 中間取りまとめ」が厚生労働省のHPに掲載されました

厚生労働省老健局が実施する「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」に携わり、本年5月からこれまでに検討会を4回開催してきました。
このたび、「中間取りまとめ」として、以下の資料が厚生労働省老健局のHPに掲載されましたので報告します。

令和元年8月23日
一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会中間取りまとめ
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000539466.pdf

一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会中間取りまとめ(参考資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000539467.pdf

論文出版:すべての国で介護予防を「地域づくり」でーWHO機関紙で提言

本教室元特任研究員の齋藤順子さんが中心となって執筆を進めた論文が国際雑誌 Bulletin of the World Health Organizationに掲載されました

高齢化が世界規模で進んできており、世界保健機関もその対策ガイドライン:「高齢者のための統合ケア(ICOPE)」を発表するなど、国際的な動きが活発になっています。

そこで私たちは、世界でいち早く高齢社会を迎えた日本の経験を伝えるべく、世界保健機関の機関紙上で「地域包括ケア:日本の経験からの教訓(Community-based care for healthy ageing: lessons from Japan)」と称した意見論文を発表しました。

2006年から始まった「基本チェックリスト」の活用による虚弱な高齢者の抽出と個別指導(二次予防事業)の開始から、2015年の改正介護保険法による「通いの場づくり」をはじめとする一般介護予防事業(一次予防の事業)に至る経緯を紹介しつつ、個別指導だけではなく、生活の場である地域の社会環境を改善する活動も重要であり、世界的に推進するべきであると主張しました。

Saito, Junko, Haseda, Maho, Amemiya, Airi, Takagi, Daisuke, Kondo, Katsunori. et al. (‎2019)‎. Community-based care for healthy ageing: lessons from Japan. Bulletin of the World Health Organization, 97 (‎8)‎, 570 – 574. World Health Organization. http://dx.doi.org/10.2471/BLT.18.223057

プレスリリースはこちらです

博報堂との共同研究を開始します

本研究室はこのほど(株)博報堂との健康経営に関する共同研究を進める契約を締結しました。
 社員健診をより積極的に活用してもらうことで、社員がゲーム感覚で健康づくりを進めていく「ヘルスエンターテイメント」型のプログラムの開発やその効果について研究していきます。
オフィシャルムービーはこちら

記事掲載:生活困窮世帯では子どものアレルギー疾患などが多い可能性

平成 30 年度厚生労働省社会福祉推進事業「社会的弱者への付き添い支援等社会的処方の効果の検証および生活困窮家庭の子どもへの支援に関する調査研究」の報告書に関連して、新たに記事が掲載されました。

なお、報告書にも記載があるように、本調査研究では生活保護世帯と一般世帯のデータをそれぞれ異なる調査データから取得しています。そのため、単純比較はできないため、「参考値」である点にご留意ください。

具体的には、生活保護世帯については、医療扶助レセプトデータ*から取得しています。そこに記載されている病名のなかには、まだその病気かどうかわからない「疑い」の病名も含まれます。

一方、一般世帯については平成28年度の国民生活基礎調査を国が集計した公表結果の情報をそのまま掲載しており、こちらは自己申告での病気の有無を問うものです。

したがって、生活保護世帯では「その病名がレセプトに記載されている人の割合」、一般世帯では「その病気で通院していると回答したものの割合」を表しています。

以上のように、生活保護世帯では「疑い」の病気も含まれるため、その病気を持っている人の割合は一般世帯のものよりも高く見積もられている可能性があります。

*医療扶助レセプトとは、患者が受けた医療扶助の診療について、医療機関が市町村に請求する「医療報酬の明細書」のことです。

 

これまでに掲載された記事:

生活の困窮、子の健康を損なう アレルギー、歯の病気が10倍(2019年7月29日 9時11分 共同通信)
https://news.livedoor.com/article/detail/16846251/
47NEWS https://www.47news.jp/3825702.html

アレルギー・歯の病気、生活保護の子は10倍 東大分析(2019年7月29日、中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019072902000279.html

生活保護世帯の子ども アレルギー、歯の病気10倍 東大チーム分析 「孤立」も影響か 学習支援や弁当配布、子ども食堂 自治体、民間が解決法模索 子ども貧困指標滞納経験追加を 内閣府有識者が提言(2019年7月30日、福井新聞)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/904692

困窮、子の健康損なう 東大が生活保護世帯分析 アレルギー、歯の病気10倍(2019年7月30日、四国新聞)
https://www.shikoku-np.co.jp/dg/article.aspx?id=K2019073000000009600

追記(2019年8月5日):

生活保護世帯の子ども アレルギー、歯の病気10倍に(2019年7月31日、日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48002700R30C19A7CR0000/

生活保護受給世帯 歯の病気、一般の子比10倍超 東大チームが分析(2019年8月5日、毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190805/ddm/013/040/062000c

その他:東京新聞、宮崎日日新聞、信濃毎日新聞、佐賀新聞、徳島新聞、西日本新聞、南日本新聞、北海道新聞、新潟日報、奈良新聞、神奈川新聞、大阪日日新聞、山陰中央新法、河北新報、下野新聞、東奥日報

論文出版:上司からの公平な扱いや配慮が欠ける職場ほど、女性管理職や専門職が抑うつ傾向で喫煙をしている:喫煙割合が6.5%増

本教室の大学院生の小林由美子さんの論文が国際雑誌 PLoS ONEに掲載されました

働き方改革に向けて、職場でのハラスメント対策等が課題となっています。

職場での処遇や評価における公平さや適正さについて、組織の公正性という概念があります。組織公正性は、企業戦略や日常業務に至る様々な場面での決定プロセスに関わる公正性(手続き的公正性)上司と部下の関係性や接し方に関わる公正性(相互作用的公正性)に分類され、前者は従業員の意見が反映されているか、決定に一貫性があるか、後者は上司が部下を尊重しているか、理解を示してくれるか等という状況を表します。組織の公正性が低いと、そこで働く者の心身の健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

今回、日本の民間企業12事業場に勤める労働者9,773名を対象に、組織公正性と、抑うつ症状との関連、およびストレス関連行動としての喫煙、飲酒との関連を分析しました。特に、女性の活躍が叫ばれる昨今、まだ人数の少ない女性の管理職や専門職の孤立の問題が指摘されていましたので、男女別・職種別の影響を分析しました。その結果、どちらの公正性でもそれが低い場合に、職種や性別によらず、抑うつの割合が多くなることが明らかになりました(表)。さらに、相互作用的公正性が低い場合には、特に女性で、管理職・専門職の喫煙の割合が多くなることが明らかになりました(棒グラフ)。

このことから、労働者のこころの健康の維持には組織公正性を保つことが重要であるとともに、今後さらに高度な管理機能・専門技能を持つ女性の活躍を推進する上では、特に職場内の人間関係に関わる公正性が重要であることが示唆されました。

プレスリリースはこちらです

Kobayashi Y, Kondo N (2019) Organizational justice, psychological
distress, and stress-related behaviors by occupational class in female
Japanese employees. PLoS ONE 14(4): e0214393.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0214393

報告:経済的困窮や社会関係上の困難を抱えている人の支援

生活保護受給者健康管理支援が令和3年より施行されます。

生活保護を受けている方やそ子ども支援も検討されていますが、根拠となるデータはほとんどありませんでした。

今回、平成 30 年度厚生労働省社会福祉推進事業「社会的弱者へ付き添い支援等社会的処方効果検証および生活困窮家庭子どもへ支援に関する調査研究」一環で、データを分析したり文献をまとめたりしました。

生活保護受給世帯子どもにアレルギー性疾患や歯疾患が多い
ひとり親世帯ではさらにぜんそく:1.9 倍
アレルギー性鼻炎:1.6 倍
アトピー性皮膚炎:4.2 倍
疾患:2.1 倍

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生活困窮者に対する医療機関へ受診同行支援で検診受診率向上や受診行動適正化が期待される
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生活保護受給者頻回受診は 独居で 1.5 倍・不就労で 2 倍多い
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「社会的弱者への付き添い支援等社会的処方の効果の検証および生活困窮家庭の子どもへの支援に関する調査研究」の報告書はこちらです

論文出版:酪農・畜産産出額が高い地域で高い自殺率(過去25年間、一貫した傾向)

本教室の大学院生の金森万里子さんの論文が国際雑誌 Suicide and Life-Threatening Behavior Early View に掲載されました。

農村は都会より自殺率が高いことが世界各国から報告されていますが、農業の種類による違いは報告されていませんでした。

このたび、政府公表のデータを用いて酪農・畜産が盛んな市町村と農作物生産が盛んな市町村の自殺率を比較しました。

その結果、酪農・畜産産出額が高い地域では低い地域より自殺率が高かったことが明らかになりました。この傾向は男女どちらにも見られ、過去25年間にわたって変わりませんでした

地域の歴史や文化、働き方などの特性は、その地域で盛んな農業の種類によって異なります。酪農・畜産が盛んな地域では、助けを求めるのが難しかったり、心身に負担の多い働き方をしている人が多い可能性があります。さらなる調査を行って原因の解明に努めるとともに、自殺予防対策を進めていく必要があることが示唆されました。

Kanamori, M., Kondo, N. (2019). Suicide and Types of Agriculture: A Time-Series Analysis in Japan. Suicide and Life-Threatening Behavior, Early View.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/sltb.12559 (OpenAccess)

日本語のプレスリリースはこちらです