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患者のみなさまへ

代表的な疾患および治療

再生治療

徳島大学病院 形成外科・美容外科では 2022年7月から、中四国の国公立病院および大学病院で初めて、褥瘡を含む難治性潰瘍に対する多血小板血漿療法(以下「PRP療法」)を行うことになりました。PRP療法は2020年4月に保険適応が認められた先進的な治療法ですが、施設基準や再生医療等委員会等の審査などをクリアしなければ実施することができません。
今までの治療法ではなかなか治癒しない創傷(外傷、床ずれ、糖尿病性潰瘍、静脈鬱滞性潰瘍、膠原病・リウマチ合併潰瘍など)に対して、患者さん自身の血液から作製したPRPを患部に注射または塗布し、濃縮された成長因子による治療効果を狙った治療法です。徳島大学病院では、当科が主体となり、様々な診療科およびコメディカルと共に下肢救済・創傷治癒センターを運営しており、難治性潰瘍に悩む一人でも多くの患者さんに安全で安心できるPRP療法を提供していきたいと考えています。

PRP 療法とは

一般的に、何らかの力が加わって皮膚が裂けて出血した場合などの際、傷口に血液中の血小板が集まってきて出血を止め、傷ついた組織を再生することが知られています。これは、集まった血小板が細胞の増殖・分化調整機能などをもつサイトカインを放出し、白血球の数を増やしたり細胞の増殖を促したりするためです。PRP療法では、この血小板の組織修復・再生促進機能に着目し、患者さんの血液から血小板を抽出・濃縮し、傷口部分に注入・貼付することで人工的に血小板の機能を強化・促進 する治療法です。
これまで、損傷した靭帯や腱、軟骨(関節)、歯肉などに直接 PRPを注入することで、スポーツ医学や整形外科、歯科、美容整形分野において普及が進んでいました。自分の組織を使う治療法のため、拒絶反応や依存性などの副作用が理論上少なく、過去にも重篤な副作用は報告されていません。但し、もともとの血小板の活性が高いまたは低いといった個人差がそのまま治療効果に影響を及ぼすと考えられており、全ての患者さんに対して高い効果をもたらすとは限りません。