Q21

Q

多重共線性とはなにか?

A

重回帰分析などの多変量解析で,説明変数間の相関が高かったり,ある説明変数が他の説明変数によって大部分(または完全に)説明されてしまう時などに,偏回帰係数が推定できなかったり不安定になることです。

【解説】

多重共線性が起こる状況とその対処:

  • ・相関が高い変数を同時に投入している: 年齢と看護師の経験年数を同時に投入する場合,多項目尺度の項目をばらして分析に使う:
    • →前者はどちらかの変数を分析に使用しないことで解決できます。
    • →後者は多項目尺度の項目はもともと相関が高くなるように設計されているので,ばらして使うとその項目間の相関が高くなってしまいます。因子分析や主成分分析などで項目をまとめた変数(因子得点,尺度得点,主成分得点)を作成しその変数を分析に使えば解決できることが多いです。
  • ・ある変数が他の説明変数によって完全に説明されてしまう: 体重,身長,BMI(Body Mass Index)を同時に投入してしまう
    • →BMIは体重と身長から算出されるので,問題があります。体重,身長を使い,BMIを使用しない分析にするか,BMIのみを使えば解決できます。

【参照】

青木繁伸.多重共線性
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Regression/mreg/mreg6.html