Q11

Q

検定の多重性の問題とはなにか?

A

検定を繰り返すことにより,αエラーが増大することです。 多群比較をする場合や,エンドポイント(評価指標)が複数ある場合などに生じます。

【解説】

3グループのうちどのグループの間に差があるのかを検討するために有意水準(αエラー)5%でt検定を3回繰り返すとします。それぞれの検定で本当は(母集団では)差がないのに偶然差がでてしまう確率は5%で,差がでない確率は95%です。ここで,3回の検定でどれも差がない(有意でない)という結果になる確率は0.95×0.95×0.95≒0.86となります。3回の検定で少なくとも1回は有意になる確率は1-0.86=0.14となり,検定全体では最初に設定した有意水準の5%を超えてしまい,検定を繰り返すほど,どこかで偶然有意差が出てしまうという問題が起こります。