日本の経済成長と円高にともない海外渡航者は増加の一途をたどってきた。海外渡航者にとって健康は、治安、教育と共に最大の関心事である。近年これらの諸問題は、渡航の質的変化のために複雑で困難なものとなってきている。すなわち、旅行では名所旧跡巡りからトレッキング旅行へ、ビジネスでは首都圏での販売から地方での製品製造、原料確保などに変わってきたためである。 日本国内では、海外での邦人医療に対し、時代の変化をとらえて積極的に対応してきたと言い難く、渡航者は相変わらず一抹の不安を抱いて出国しているのが現状である。 このような状況を鑑みて、海外医療担当者は渡航者の健康問題についてのニーズをとらえ、適当な対策と支持をしてゆく必要があると考える。当会は海外渡航者に実際に携わったことのある者同士が集まり、問題点を出し合い、その解決策を語り合う、など海外医療を考えてゆくことを目的として設置するものである。
* 感染症のみならず、海外医療全体について考える。慢性疾患の管理、精神問題、海外医療保険など健康に関するものなど広く考える。
* 海外での邦人の抱えている問題を話題とする。そして理想主義に走らない実行性のある対応策を考えてゆく実学を基本とする。
* 医師、看護婦、保健婦など医療有資格者のみならず、実際に海外医療を担当している者など会のメンバーとなれる。
* 会は講演、発表、シンポジウムの他に、症例呈示、製品紹介、体験者談などを含めた幅広く自由な雰囲気なものとする。
2022年8月に開催された理事会において、理事長を拝命いたしました。
本学会の前身は「海外渡航者の健康を考える会」で、2006年の第10回学術集会より日本渡航医学会となりました。
海外渡航は本来楽しむべきものですが、渡航先で流行する感染症の罹患、持病悪化、
環境の変化に伴う疾患、精神問題、治安面の問題など様々な幅広い問題が存在します。
本学会はこれまでも「渡航に関連した諸問題に取り組み、渡航者の健康を守ること」を目標に
掲げ、一貫した学会活動を行ってきました。しかし、21世紀に入ってから20年程の間にもグローバル化の
流れの中で海外渡航者のみならず訪日外国人旅行者の急増、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等新興感染症の
発生など海外渡航に関わる問題は更に複雑化しており、本学会の果たすべき役割も増えているように感じます。
本学会は多職種で構成されており、海外渡航に関連した様々な問題を改善すべく各種委員会、
部会活動を行っています。国内外で活躍する学会員と連携をとり、同じ目標のもとに学会活動を行うことにより
社会に貢献していきたいと考えております。
ご支援の程宜しくお願い申し上げます。
2022年8月
一般社団法人 日本渡航医学会
理事長 渡邊 浩
本会定款第18条に従って、次期定時評議員会で評議員の選任を行います。
正会員の方で「評議員になろうとする者は、評議員2名以上の推薦を得て、評議員選任申請 書を理事長に提出(第18条第2項)」してください。
評議員選任申請書類(
申請書と履歴書)を学会事務局まで提出して下さい。
受付期間:4月1日〜5月31日 ※事務局必着