健康格差算出ソフトHD*Calcの日本語説明ファイル

米国国立がん研究所が無料で公開している健康格差のモニタリングのためのソフトウェア:Health Disparity calculator (HD*Calc)を使うための説明書を添付します(作成:長谷田真帆氏)

長谷田 HDCalc使い方.pdf

ソーシャルキャピタルの評価指標(2016年11月5日更新)

これまで主な公衆衛生関係の調査で使用されてきたソーシャルキャピタル指標を紹介します。ほかにもご存知の方がいたら掲載しますのでご連絡ください!

  1. 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野のホームページで、「ソーシャル・キャピタル質問項目お勧め版」(研究者・自治体担当者向け)が公開されています。
    (リンク:http://www.unit-gp.jp/eisei/wp/?cat=53
  2. 日本老年学的評価研究(JAGES)版ソーシャル・キャピタル測定尺度(version 3.0)
    市民参加(civic participation)・社会的凝集性(social cohesion)・互助性(reciprocity)の3つの構成要素を、11の質問で測定します。個人単位での回答を集団単位で集計することで評価します。ここから説明文書をダウンロードできます: 斎藤 et al. JAGES SC指標 ver 3.0.pdf

健康格差の評価のための社会背景調査項目

自治体等で健康格差の評価を行う際には、所得や学歴など、個人の社会背景についての情報を入手する必要があります。

これまで国内の主な公衆衛生関係の調査や政府による調査において使われている項目を紹介します。

今後、以下の情報について随時追加していきます。

  • 所得
  • 学歴
  • 職業
  • 年金種別
  • 生活保護等の給付状況

論文出版:幼少期の暮らしぶりと寿命の関係

特任研究員の谷さんらとまとめた論文が出版されました。

幼少期に経済的に不利なことと老後の死亡リスクが低いことが関連:JAGES追跡調査
Childhood socioeconomic disadvantage is associated with lower mortality in older Japanese men: the JAGES cohort study

  • Childhood socioeconomic disadvantage was ‘paradoxically’ associated with lower mortality in Japanese men, but not in women.
  • The association between childhood socioeconomic disadvantage and lower mortality was stronger among the 75-years-old or older participants compared with those aged 65–74 years, which may be due to selective survival, childhood physical training or postwar calorie restriction in this generation of Japanese males.

全文アクセス(英語)
http://m.ije.oxfordjournals.org/content/early/2016/07/06/ije.dyw146.long?view=long&pmid=27401729

日本の健康格差:医療者は何をすべきか

日曜日に京都大学で開かれる米国内科学会日本支部の総会でお話します。英語と書いてありますが、日本語で話します。適宜英語で補足します。スライドは英語です。
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2-1-1 英語 日本の健康格差:医療者は何をすべきか/Health disparity in Japan: What should medical practitioners do?
近藤 尚己・Wayne J. Riley, MD
——–
http://acp2016.org/
http://acp2016.org/pdf/flyer.pdf

笑いと病気との関係の研究成果が多方面で取り上げられています!

先日発表した、笑いの頻度と脳卒中などの病気との関連に関する論文の内容が、テレビ等の各メディアで数多く取り上げられているようです。

たくさん笑っている人ほど病気の人が少なかった、という関連を示したものであり、笑いの頻度を増やすと病気をしなくなる、というところまでを明らかにしたものではありません。

とはいえたくさん笑って不健康になる、ということも考えにくいと思います。

笑いたくても笑えない、笑う機会が少ない、という方々もいると思います。笑いの機会が増えるような地域の環境の工夫を考えて行きたいものです。

主な報道
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000070457.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00010002-yomidr-hlth
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00318689.html

報道: 笑いが少ない人は脳卒中などが多い

フジテレビ系列のニュースで、研究成果が報道されました。

笑いと脳や心臓の病気との関連があることが示された、という内容です。たくさん笑うと、その後それらの病気になりにくくなるか、という「因果関係」を示していない点にご注意ください。

報道内容は以下です。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00318689.html
「笑い」と脳卒中についての論文が発表された。
東京大学の研究チームは、日常生活で「ほとんど笑わない」高齢者は、「毎日笑う高齢者」に比べて、脳卒中を発症した人の割合が、1.6倍に増えるという論文を発表した。
65歳以上の高齢者およそ2万人を調査したところ、「ほとんど笑わない」と回答した人は、「ほぼ毎日笑う」と答えた人に比べ、脳卒中を発症した人の割合が1.6倍に、心疾患では1.2倍に増えるという。

なお、本研究は東京大学医学部医学科の林慧さんやハーバード大学のカワチ・イチロウ教授、教授福島県立医大の大平哲也教授、琉球大学の白井こころ准教授千葉大学の近藤勝則教授らとの共同執筆論文です。
論文は本日13日、疫学の国際専門誌Journal of Epidemiologyから出版されました。以下からダウンロードできます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20150196/_article
Title: Laughter is the Best Medicine? A Cross-Sectional Study of Cardiovascular Disease Among Older Japanese Adults

Authors:

Kei Hayashi
Ichiro Kawachi
Tetsuya Ohira
Katsunori Kondo
Kokoro Shirai
Naoki Kondo
Background: We sought to evaluate the associations between frequency of daily laughter with heart disease and stroke among community-dwelling older Japanese women and men.

Methods: We analyzed cross-sectional data in 20 934 individuals (10 206 men and 10 728 women) aged 65 years or older, who participated in the Japan Gerontological Evaluation Study in 2013. In the mail-in survey, participants provided information on daily frequency of laughter, as well as body mass index, demographic and lifestyle factors, and diagnoses of cardiovascular disease, hyperlipidemia, hypertension, and depression.

Results: Even after adjustment for hyperlipidemia, hypertension, depression, body mass index, and other risk factors, the prevalence of heart diseases among those who never or almost never laughed was 1.21 (95% CI, −1.03–1.41) times higher than those who reported laughing every day. The adjusted prevalence ratio for stroke was 1.60 (95% CI, 1.24–2.06).

Conclusions: Daily frequency of laughter is associated with lower prevalence of cardiovascular diseases. The association could not be explained by confounding factors, such as depressive symptoms.

静岡のラジオ番組で取り上げられました。

笑いが多い人ほど健康と答える人も多い、とする学術論文が、2月5日、下記の放送局の番組で紹介されました。

FMラジオ局
K–mix(静岡エフエム放送)「モーニングラジラ」
平成28年2月4日(木)午前9時15分ごろに紹介
http://www.k-mix.co.jp/radzilla/

特任研究員募集

東京大学大学院医学系研究科

公共健康医学専攻 健康教育・社会学分野

特任研究員 募集要項

 

身分:         特任研究員(短時間勤務有期雇用教職員)

採用人数:      1名

採用予定日:    手続き終了次第

契約期間:      採用日より2017年3月31日

勤務地:        東京都文京区本郷7-3-1 医学部3号館3階 

健康教育・社会学分野/保健社会行動学分野研究室

勤務内容:      社会疫学やその関連領域に関する研究の遂行。主に、当教室が扱うデータを利用し、その解析結果に基づき論文執筆をしてもらいます。また、本教室が行っている研究の業務(追跡対象者や協力機関との連絡・調整など)の一部を担ってもらいます。

資格・条件:    博士学位、ないし取得の見込みがあるもの。疫学関連の統計処理(SAS, STATA, R等)技能を持ち、社会疫学やその関連領域においてデータを用いた実証研究を行った経験があり、かつ筆頭著者の英文原著論文がある者。

就業時間:      週3日以上5日以下(1日6 時間以上)で相談応需

休日:                 土日祝日、なお研究の遂行状況によっては休日出勤・代替休暇の取得を御願いすることもある

給与;          年齢・経験・技能に応じ、時給1,614円~2,124円

通勤手当:      支給要件を満たした場合、実費相当額を支給(上限あり)

社会保険など:  社会保険、雇用保険(法令の定めるところにより加入)

応募方法:      電子メールか郵送。履歴書(写真添付)・業績一覧とこれまでに執筆した論稿・論文のうち代表的なものについてひとつ別刷り(メールでの応募の場合PDFなど)をkondolab[at]m.u-tokyo.ac.jpまでメールするか、これらを同封し下記へ郵送のこと。

履歴書の形式は問いません。

参考:東京大学統一様式:ダウンロードhttp://www.u-tokyo.ac.jp/per01/r01_j.html)

申し込み先:   〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1

(郵送時)    東京大学医学部3号館3階 健康教育・社会学分野 近藤尚己あて

問い合わせ:   kondolab[at]m.u-tokyo.ac.jp

応募締め切り:  2016年2月10日、書類による一次選考のうえ、合格者に対し面接を実施します(面接の際の交通費は支給しません)。該当者が見つかり次第締め切ります。

その他:        応募の秘密は厳守し、取得した個人情報は採用選考の目的以外には使用しません。また応募書類は返却いたしませんが、返却を希望される場合には返信用封筒を同封してください。