悲嘆を抱える方のためのグループセラピー(ENERGY)を
ご希望の皆さまへ

→現在新型コロナウィルス感染拡大防止のため、グループセラピーは今年度の募集を停止しております。再開につきましては、改めてこのHPで告知いたします。
参加を希望されている方々にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

悲嘆を抱える方のためのグループセラピー(ENERGY)への参加を検討されている方または治療者の方へ

複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)とまではいかないけれど、悲しみに向き合うことがつらかったり、亡くなった方のいない人生をなかなか受け入れることができない、という方もいらっしゃるかもしれません。

どうも気分が落ち込む、やる気が出ないなど、精神科受診したり個人の心理療法を受けるほどではないけれども、生活上の困難を感じている方々のために、もう一つの治療法として私たちは「悲嘆を抱える方のためのグループセラピー(ENERGY)」を開発し、その効果を検証することを目的とした研究を行っています。

プログラムの内容

悲嘆を抱えた方は、体調や気分の不調を感じてもそのつらさを一人で抱えてしまうことも多く、自分で何とかしなければと思いご自身で医療機関にかかること躊躇することも多いと考えられます。遺族の自助グループが多く実施されていることからもわかるように、同じ経験をした方々がお互いの思いを話し、聞くことによって精神的な苦痛が軽減されることがわかっています。

そのため、このプログラムでは、セラピストがファシリテーターとなり、以下の内容を行うことで、グループで記憶や思い出を表現し共有することが安全であり有効だと考えています。

<STEP1> (講義形式)
悲嘆とその過程を妨げるものについての理解

<STEP2> (6人以下のグループで実施)
→コロナ感染が蔓延している期間中は、感染予防のため3名までとさせていただきます

  1. #1 悲嘆の感情を共有する、自分の目標を考える
  2. #2 悲嘆を妨げる心のひっかかりについて考える
  3. #3 心のひっかかりを考え直す、現在の生活の困難を考える
  4. #4 亡くなった方の思い出の共有
  5. #5 記念日反応への対処、今後の目標に取り組む、プログラムの振り返り

※STEP2を受けるには、STEP1を受けていただくことが必要です

実施方法

このプログラムは2週間に1回、1回約2時間です。6人以下のグループで実施し、次回の面接までの間に宿題をしていただく必要があります。
プログラムは以下の機関/場所で実施いたします。

<プログラム実施機関>
武蔵野大学認知行動療法研究所(東京都江東区)
実施場所:武蔵野大学心理臨床センター(東京都江東区)

治療参加の要件

この治療に参加していただくのは、大切な人(家族、親戚、友人、恋人など)との死別を経験した方で、以下の要件を満たしている方です。

  1. 年齢が20歳以上
  2. 過去に重要な他者(治療の対象となる家族・親戚・友人)の死別を経験しており、6か月以上経過している
  3. 悲嘆による苦痛を抱えている
  4. 身体疾患あるいは精神的問題で通院・相談している場合には、主治医(カウンセラー)から参加の承認が得られている
    (今通っていらっしゃる医療機関をやめたりせず、継続して通院されることをお願いしております)
  5. 基本的にすべてのセッションに参加できる
  6. 日本語を母国語とする

※複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)に該当すると判断された方、妊娠中や過度なストレスのある方、プログラムを続ける上で支障のあるようなお身体の病気や中等度以上のうつ病、不安障害等などがある場合には安定して治療を行うことが困難であることが予想されますので、そのような状況が安定してから御参加願います。

このプログラムに参加することで、お気持ちの整理がつく機会となるかもしれません。ただし、プログラムでは死別や悲嘆にまつわる気持ちや考えに焦点をあてるため、悲しみなど悲嘆に関連する気持ちが強まったりする可能性もあります。プログラム終了後には改善すると考えられますが、万が一、精神健康について問題が生じるようであれば、ご相談の上適切な対応機関を紹介いたします。また、研究実施や発表にあたっては、個人情報およびプライバシーの保護に十分な配慮をいたします。また、このプログラムがすべての症状や問題を解決する訳ではないことも事前にご了解願います。

研究参加の手続きについてはこちらをご参照ください。

研究倫理について

本研究は、このプログラムの実施機関である武蔵野大学人間科学部の倫理委員会の承認を受けて行っています。

また、この研究はUMIN臨床試験登録(UMIN-CTR)に登録しています(UMIN試験ID:UMIN000035161)。

この治療への参加に希望された方には、まず、研究スタッフである医師あるいは臨床心理士が説明文書に基づいて研究について説明をいたします。その際に疑問点や分からないことなどご確認ください。その上で、研究に参加することを決めていただき、同意文書にご記入いただきます。

この研究への参加は任意です。研究についての説明を聞いて参加をしないことを決定したり、また同意書を書いていただいた後でもいつでも参加を取りやめることができます。参加をとりやめたとしても、一切不利益は生じません。

治療参加に関するお問合わせ

悲嘆を抱える方のためのグループセラピー(ENERGY)への参加を希望する方は、問い合わせフォームにご記入下さい。

<ENERGY研究プロジェクト>
(研究代表)
中島 聡美 (武蔵野大学人間科学部 教授)
(研究協力者)
伊藤 正哉 (国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター 室長)
小西 聖子 (武蔵野大学人間科学部 教授)
黒澤 美枝 (武蔵野大学人間科学部 客員教授)
大岡 友子 (武蔵野大学大学院 博士課程)
松田 陽子 (武蔵野大学 認知行動療法研究所 客員研究員)
武蔵野大学 認知行動療法研究所 ENERGY事務局
住所:〒135-8181 東京都江東区有明3丁目3番3号 武蔵野大学有明キャンパス内
※事務局では、電話・ファックスによる対応は行っておりません。
お問い合わせは問い合わせフォームにお願いいたします。