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東北大学における絨毛採取による出生前診断

絨毛採取による出生前診断

これは1989年から11年間の絨毛採取(chorionic villi sampling; CVS)57例をまとめたものです.もう10年以上の前の2001年に発表されていますが,その後も年に数例ずつの施行実績があります.2010年から絨毛採取は宮城県立こども病院で行っています.

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日本臨床遺伝学会第24回大会一般演題

東北大学産婦人科 室月淳,八重樫伸生,上原茂樹,岡村州博

臨床遺伝研究 2001;22(1):120

 抄録

絨毛採取は出生前診断のために妊娠の比較的早期に検体を採取できる方法である.しかし羊水穿刺に比べ歴史が浅く,診断の信頼性や検査手技のもつ危険性については充分に検討する必要がある.

そこで1989年から11年間に当院遺伝相談外来を受診し,出生前診断のために絨毛採取を行った57例をレトロスペクティブに検討した.適応は,遺伝性疾患が31例(54%),母児のウイルス感染が22例(39%),染色体検査が3例(5%),その他が1例であった.施行した妊娠週数は,妊娠12週未満が38例(67%),12〜15週が8例(14%),16〜19週が8例(14%),20週以降が3例(5%)であった.採取方法は,経腹的穿刺が46例(81%),経膣的穿刺が11例(19%)であった.解析方法は,遺伝子診断が41例(72%),生化学的分cs析が13例(23%),染色体分析が3例(5%)であった.

検査結果は,54例(95%)で正確な情報が得られたが, 3例(5%)で診断不能であった.絨毛採取施行後の異常としては,流産が2例(4%:経腹的および経膣的穿刺が各1例)あった.子宮内感染や,四肢欠損などの胎児新生児異常は認められなかった.経膣的採取に比べ経腹的採取の方がやや安全である印象をもった.絨毛採取によるものと推定される流産が4%あったことや,絨毛採取に成功しても5%で検査結果を得られないことなどは,絨毛採取の適応を決定する場合,および施行前の遺伝カウンセリングにおいて充分に考慮されなければならない情報と考えられる.

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カウンタ 3223(2012年5月21日より)