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仙台医療センターでの援助の実際

流死産 - 仙台医療センター(旧国立仙台病院)での援助の実際

                                   室月 淳 (2012年4月27日) 

周産期医療がこれまで発展してきたにもかかわらず,いやむしろここまで発展してきたからこそ,流産・死産・新生児死亡の数は決してなくなることはありません.子どもを亡くした母親や家族の悲しみは長く続くことがいわれています.ここでは仙台医療センター(旧国立仙台病院)における入院中および退院後の支援についてご紹介いたします.

分娩には夫や祖父母など本人が希望する方の立ちあいを許可していました.分娩後のケアについては通常に生まれた子どもと同じで,暖かいバスタオルを用意し,カンガルーケアを行い,退院まで母児同室で過ごします.思い出づくりのために,髪の毛や臍帯,爪・手形,ネームバンド,母子手帳などを記念として渡せることをご説明します.母親がしてあげられることもお伝えします.沐浴,写真やビデオ,名前をつけて読んであげる,話かける,泣くことなどです.

実際に流死産体験者の声には,「直後はあまりのショックに何も考えられず,足型をとろうとか,写真をとろうとか何も考えられなかった.今は思い出となるものが手元に何もなく,それがとてもつらい.医療者から「何ができる」というのを提案してくれればよかった」というものがあります.

また本人用と夫用のパンフレットをそれぞれ作成し,配布しています.病院ではお見送りの部屋を用意しています.お見送りがあることを事前に全スタッフにお知らせし,医師,助産師,職員の方々など誰もが参加できるようにしています.

流死産体験者の悲しみは退院してからも長く続くことがあります.その長さや悲しみの深さは入院中の医療者の対応や言動にも左右されることがあります.周産期に子どもを亡くした母親とその家族に対して入院中のケアの充実が重要と考えられます.また退院後の支援体制が求められていますが,同じ体験をしたもの同士が話し合うセルフヘルプグループ゚活動などは意義深いかも知れません.

 

流死産を経験した本人と夫のおふたりに対するケアは,それが胎児死亡による自然流死産でも,選択的/非選択的な人工流死産でも変わることがないのが原則です.それは子どもを心から望んでそれがかなわなかったご夫婦も,望まない妊娠で中絶せざるを得なかったご夫婦も,あるいは選択的に児をあきらめざるを得なかったご夫婦も,その悲しみや辛さには変わりがないだろうという考え方が元になっています.選択的中絶が仮にわれわれ医療者の倫理観にそぐわない選択であったとしても,もしご夫婦が自分たちで考え決めたことの結果であれば,われわれはそのご夫婦によりそって最大限のサポートをします.死産後のケアに関してもまったく同様です.

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カウンタ 27699 (2012年4月27日より)