心への影響と対処
ストレスを和らげるためのヒント
更新・確認日:2021年7月7日
私たちは、日常生活の中で、周りの環境から絶えずストレスを受けています。そのストレスが、自分の中で処理できている場合には、その人にとってよいストレスとなりえます。一方、周りの環境から受けるストレスが、自分の中で処理できる範囲を超えた場合には、その人にとってよくないストレスとなります。その結果、過度に緊張したり、元気がなくなったり、疲労感を感じたりするかもしれません。人間関係を含め、自分を取り囲む環境を変えることはなかなか大変です。周りの環境から受けるストレスによって、つらい気持ちなどになった場合には、以下のことを参考に自分に合う対処法を見つけてみましょう。1度試しただけでは自分が心地よいと感じる対処法を見つけることは難しいかもしれません。無理のない範囲で継続して行ってみるとよいでしょう。
呼吸法
私たちが過度のストレスを感じている時の呼吸は浅く、「肩で息をする」ことが多くなります。まずは、自分の呼吸に意識を集中してみましょう。息が浅くなっていると感じた場合には、意識的におなかをふくらませながら、ゆっくりと息を吸ってみてください。次に、おなかをへこませながら、ゆっくりと息を吐いてみましょう(これを腹式呼吸といいます)。できるだけ肩や首回りに力が入らないように、おなかと呼吸に意識を集中させてゆっくりとおこないます。「息を吸う・吐く」を1セットとして数回繰り返します。この方法は、特別な場所に行ったり、器具などを必要としたりしないため、自分の好きな時に好きな場所でおこなえるでしょう。以下のウェブサイトを参考にしてください。
同世代の経験者と話す
自分のつらい気持ちを同世代の経験者と共有してみるとよいかもしれません。自身の気持ちを話す準備ができていない場合でも、患者会が催すイベントに出かけてみてもよいでしょう。同じような経験をした人の体験談を聞く機会があるかもしれませんし、現在感じているストレスやつらい気持ちを軽減するコツが見つかるかもしれません。また、その中で自分の気持ちや経験を、他の経験者の方に話す準備が少しずつ芽生えるかもしれません。一人で抱え込まずに、時には周りの人からサポートを得ることも、ストレス軽減のためには大切なことだと思います。
参考文献
- Lyman GH, Greenlee H, Bohlke K, et al. Integrative Therapies During and After Breast Cancer Treatment: ASCO Endorsement of the SIO Clinical Practice Guideline. Journal of Clinical Oncology 2018; 36: 2647-2655.
- ラリー・ローゼンバーグ著・井上ウィマラ訳. 実践ヴィパッサナー瞑想 呼吸による癒し. 春秋社; 2011.