M.S.
結婚・離婚・再婚とその理由
私が28歳の時に結婚し夫婦2人で生活していました。42歳で乳がんとなり「積極的治療を望まない」と言った時から、夫は私の意思を尊重し、診察やセカンドオピニオンに同席してくれました。最終的に、医師から勧められた標準治療の中で、手術と放射線治療を受けることになりました。その治療が一段落した頃、夫から離婚を切り出されました。「自由に生きてほしい」と言われましたが、私は、夫が家事をしない私に我慢できなくなったのだと思いました。離婚して別居しましたが、関係は変わらず性交渉も細々とありました。(元)夫はTシャツを用意してくれて、手術痕が見えないように配慮してくれました。(元)夫自身も血や傷が苦手なので見ないようにと考えたと思います。とはいえ、挿入時の痛み等もあり、頻度は徐々に減りました。(元)夫が私の痛そうな表情を汲み取ってくれたのだと思い有難かったです。お互いに痛みに敏感なのだと思います。
離婚後、一人暮らしを始めて3年程で骨転移が判明したため<おひとりさまの終活>を始めました。終末期医療ケアに伴う身元保証の厳しさを痛感していた頃、(元)夫から同居を提案されました。私が延命を望まないことを理解し死後事務まで引き受けてくれたため、再同居と再婚を決意しました。実は離婚の翌年、私はADHDと診断されていました。これにより(元)夫は、私の家事能力が致命的だった理由が腑に落ち、対処できると思ったようでした。また私の方も、夫が切り出した離婚の理由の一つが、義両親の介護から自由にしたかったという意味だったということも分かりました。
現在、性行為はありませんが、夫がマッサージをしてくれたり、お互いにおしり(ちなみに臀部に限る)を撫でたりしていると、不思議と言葉にせずとも癒したりねぎらったりしている感覚になります。ハグをしたり密着したりできるのは日本人にとって最も身近で信頼できる人に限られると思います。そして、スキンシップを重ねることで信頼感が深めることができるような気もします。(元/現)夫とは、結婚しても離婚しても、お互いに感謝を伝え合え、安心してスキンシップがとれる抱き枕のような居心地の良い関係です。私としては、(元/現)夫には、私がいなくなったら猫を飼ってもらいたいと希望しています。きっと猫を撫でたり抱いたりすると癒されると思います。