脳外科医 澤村豊のホームページ

様々な脳腫瘍や脳神経の病気について説明しています。

Diffuse leptomeningeal glioneuronal tumor DLGNT

  • 小児期と思春期に生じます
  • ゆっくり増大する腫瘍です
  • disseminated oligodendroglial-like leptomengeal tumorと呼ばれました
  • この名の示すような特徴を示します
  • 脳脊髄膜 leptomeningesに広範囲にびまん性に存在します
  • つまり,くも膜下腔と脳室を満たすように増殖します
  • 脳脊髄の髄膜に無数の結節ができ,脳脊髄の表面がガドリニウム増強されます
  • MRIでは悪性腫瘍の播種であると診断されます
  • 広がりとしては,母斑症であるmeningeal melanomatosisに似ています
  • 脊髄では髄内で腫瘤を作ります
  • そのために髄液吸収あるいは閉塞性の難治性水頭症となります
  • 予後不良です
  • 乏突起膠腫に見られるような,monomorphic clear cell glial morphologyを呈します
  • 免疫染色では,OLIG 2, S-100に加えて synaptophysinが陽性となるために,glioneuronalと表現されます
  • 1p deletionもしくはBRAF fusionがあり,まれに19q deletionがみられます
  • IDH mutationはありません
  • MIB-1染色率が高く,増大速度は速いものでは,予後不良です
  • 治療方法は知られていません
  • 過誤腫あるいは形成不全ともいえる腫瘍です

 

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