ボラニゴ錠 10mg, 40mg (ボラシデニブ)
2025年9月に日本セルヴィエ社が発売しました
- ボラシデニブを投与すると変異型のIDH1/2遺伝子の働きを抑えて,腫瘍細胞内の2-HGが減少します。そうすると腫瘍細胞お増殖能が低くなって腫瘍増大を抑制します
- グレード2の星細胞腫か乏突起膠腫,IDH1/2変異があること
- 手術後で生検術でも部分摘出でも全摘出でも投与できます
- CYP1A2により代謝されるので,CYP1A2の代謝に関連する薬剤との併用に注意します
- 日本セルヴィエが抗がん剤・ボラシデニブクエン酸水和物について、IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫を対象疾患に承認申請しました
注意:星細胞腫や乏突起膠腫が消えて無くなって治ってしまう薬ではありません
あくまでも腫瘍を小さくしたり成長を遅くしたりする静的作用です
長期服用が必要なので,誰にいつどのくらいの長さで投与して中断するかを決めるのがとても難しいのです
ボラニゴの使い方
- 経口投与でボラニゴ40mgを毎日一回,決まった同じ時間に服用します
- 空腹時にのみます,朝食後とか,夕食後とかです。噛まずに飲み込みます
- ですから食事からはかなり時間を空けなければなりません
- 対象は,12歳以上
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体重は,40kg未満:20mg 40kg以上:40mg
- 患者さんの状態で適宜増減することができます
- 10mg以下の容量になるときは中止します
ボラシデニブの副作用(有害事象)

倦怠感,疲労感,頭痛,嘔気,下痢,食欲減退,筋肉痛(骨格筋痛),関節痛,便秘,風邪などの感染症,稀にてんかん発作
血液検査では,ALT, AST, γ-GTP, ALP, ビリルビン上昇,好中球減少です。臓器障害では肝障害がもっとも頻度が高いです。
ひどい倦怠感が日常生活の障害となりますが,体力をなくさない程度に運動して,また大事な仕事のために休憩をとってというバランスが大切になります。
臓器障害では,重篤な感障害が問題となることがあります。
吸湿性があるので分包できません。上にあるようなボトルをいただいて保存してください。