ご意見のある方は、 kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jpまたはメイルを 送るまで。
死刑を完全に廃止する必要はない。すでに社会に甚大な 害を及ぼし、これからもその危険が大いにあるような人間は、誤判の可能性が ほぼなければ、予防論の立場から言っても、応報論の立場から言っても、死刑 にするのが妥当である。そのような極悪犯罪人が出てくる可能性も考えて、死 刑制度自体は存続させ、その適用の数を極力減らせばよい。
現在のところ死刑を廃止する決定的な根拠はない。誤判 の議論は「とりかえしがつかない」という言葉の意味を詳細に吟味すれば、お そらく刑罰制度そのものの否定につながるであろう。死刑廃止論の議論がもっ と説得力のあるものにならない限り、わたしはまだまだ反死刑廃止論者であり 続ける。(詳しくは、誤判可能性を論拠とする 死刑廃止論の検討を参照)
といっても、わたしは死刑が好きだとか殺人者はみんな殺せ、とかいうわ けではない。なるべく死刑執行の数が減るに越したことはない。(05/28/97)