3. ボーエン病(Bowen病)
ボーエン病は、有棘細胞癌と同様に表皮の有棘層の細胞が癌化しますが、その増殖は表皮の中だけに留まり(表皮内癌と呼ばれています)、真皮に及んでいない状態です。この状態であれば通常転移することはありません。
原因
はっきりした原因は不明ですが、紫外線やヒトパピローマウイルスが関与するとされています。多発するボーエン病の場合は砒素摂取が関連しているといわれています。
症状
中年以降に発症します。表面が赤くてざらざらした状態で形は円形やいびつな形をしています。見た目が湿疹に似ていることがありますが、湿疹の薬を塗ってもよくならずに少しずつ広がっていきます。放っておくと癌細胞が真皮に侵入して有棘細胞癌と同じ状態になります。
治療
原則として手術で切除します。病変辺縁より数mm離して切除します。小さな病変は切除後欠損部を縫い寄せて閉鎖しますが、大きいものは植皮が必要です。切除した後の転移や再発はまれです。