1. 基底細胞癌
表皮の基底細胞や毛包を構成する細胞から発病する皮膚癌です。皮膚癌の中でも最も発生が多い癌です。
原因
はっきりした原因は不明です。紫外線、外傷、放射線、やけどのあと(熱傷瘢痕)が関係することがあります。
症状
いわゆるほくろに似ていることもありますが、ほくろに比べて青黒く、表面がろうそくの「ろう」のような光沢をもつ硬い腫瘤です。中央が潰瘍となり、周囲の正常組織を破壊しながら進行することがあります。多くは高齢者の眼瞼や鼻など顔面に発生します。転移はまれです。
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治療
原則として手術により切除します。通常病変辺縁より3~5mm離して切除します。前述のように多くが顔面に発生するため、切除後の皮膚欠損に対し見た目を損なわない再建手術をすることもしばしばです。転移がまれであることから、初回の手術で病変が取り切れれば根治する確率は非常に高くなります。
高齢者や切除が困難な部位での発生例、合併症などで手術が難しい場合は放射線で治療することもありますが、手術にくらべ根治性は劣ります。
化学療法(抗癌剤による治療)は、手術不可能な進行例に適用されることがある以外は通常行われません。
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