皮膚の構造と皮膚癌の発生
皮膚は表皮、真皮の二層から構成され、その下に皮下脂肪織があります。
表皮は数層の細胞からなる薄い組織で、表面から、角質層、顆粒層、有棘細胞層、基底細胞層で構成されます。基底細胞層は1層の細胞層で、この細胞が分裂して有棘細胞層→顆粒層→角質層と上方へ移動します。また、基底層にはところどころメラノサイトがあり、メラニン色素を産生します。
有棘層は数層の細胞からなり表皮の大部分を占めます。
真皮はコラーゲンなどの繊維組織からなり、微小な血管網、神経を有しています。また、皮膚の毛や脂腺、汗腺・汗管などの皮膚の付属器も真皮から表皮にかけて存在します。
皮膚はこのように様々な組織を含み、おのおのの細胞が癌化することがあるため、皮膚癌には多くの種類があります。
ここでは、代表的な皮膚癌、および前癌状態である1. 基底細胞癌、2. 有棘細胞癌、3. ボーエン病(Bowen病)、4. パジェット病(Paget病)、5. 悪性黒色腫(メラノーマ)について紹介します。