学校
教職員とのコミュニケーション
更新・確認日:2021年7月7日
義務教育が終了した後(高校・大学)でがんの診断を受けた生徒・学生への就学支援は、残念ながらまだ整っているとは言えませんが、どのようにして学校での勉強や活動を継続していくのがよいのかを家族と一緒に考えていきましょう。その際、以下を参考に、就学継続のための支援や利用できる制度について教職員に相談していくとよいでしょう。
治療の内容と今後のスケジュールについて
主治医から説明された治療の内容と入院などの今後のスケジュールについて、もう一度よく見返しましょう。その際に、学校を何日ぐらい休む必要がありそうか、授業のない期間(夏休みなど)にかかるタイミングかどうかなどを考えてみましょう。また治療後どれくらいたてば学校生活を再開できるのかについても、治療の副作用や体力面などから主治医に確認しておきましょう。
教職員とのコミュニケーションについて
卒業のための必要条件について確認をする
例えば、治療や療養のために必要となる欠席日数は卒業に問題ないか、定期試験を受けられない場合にはレポート提出で単位認定してもらえるかなど、卒業するための条件について、教職員に確認をしておきましょう。卒業のために必要な条件を満たせない場合は、救済方法について、家族に同行してもらって確認するのもよいでしょう。
病気の診断を受けた時期が高校在学中であれば、入院や退院後の通学が難しい場合などに教育が継続できるように高校の部が併設されている特別支援学校があります。特別支援学校の高等部で学ぶためには、現在通っている学校から転校する手続きが必要です。治療が一段落した後に前の学校に(無試験で)戻ることができるのか、特別支援学校で取得した単位は、戻った場合に卒業に必要な単位として認定されるのかなどについて、家族と一緒にしっかり確認しましょう。今通っている高校と特別支援学校の両方に密に連絡をとるとよいでしょう。
学校生活を続けながらの治療と療養が難しい場合には、休学の可能性を考えてみてもよいかもしれません。
学校生活全般での支援を受けるために
病気の診断から入院・治療開始までの準備期間が短い場合には、特に、学校や治療のことで自分も家族も頭がいっぱいになってしまうかと思います。「教職員に病気や治療についてどこまで話すのか」は、学校側に望む支援の程度にもよりますが、必要に応じて段階を追って伝えていってもよいかもしれません。まずは、家族に自分の気持ちや考えを伝えて、教職員にどこまで話すかについて話し合っておくとよいでしょう。普段から接していて「この人なら話してもよいかな」と思える教職員を思い浮かべてみましょう。自分で話すことが難しい場合には、家族を介して、信頼できる教職員に伝えてもらいましょう。復学前や復学後に必要な支援について相談できる環境を、周りの人々に作っておいてもらうことも大切なことだと思います。
参考文献
- 電子政府の総合窓口E-Gov(ウェブサイト). 特別支援学校の高等部の学科を定める省令(閲覧日2018年9月5日)
- 文部科学省(ウェブサイト). 「学習指導要綱生きる力」特別支援学校高等部学習指導要領(閲覧日2018年9月5日)
- 内閣府(ウェブサイト). 特別支援学校高等部卒業後の進路(閲覧日2018年9月5日)
- 国立がん研究センター小児がん情報サービス(ウェブサイト). 就学に関するQ&A(閲覧日2018年9月5日)